河内大塚山古墳

大塚山古墳：巨大古墳に秘められた謎

大塚山古墳は、大阪府の羽曳野市と松原市にまたがる、全長335メートルにも及ぶ巨大な前方後円墳です。その規模は全国で5番目に位置し、大仙陵古墳（仁徳天皇陵）、誉田御廟山古墳（応神天皇陵）、上石津ミサンザイ古墳（履中天皇陵）、備中造山古墳に次ぐ大きさを誇ります。

概要

この古墳は6世紀後半に築造されたと考えられていますが、被葬者を特定するための学術的な発掘調査は行われていません。そのため、大和王権の大王墓であるという推測はされているものの、その真相は謎に包まれています。興味深いことに、同時期にこれほど大規模な古墳が築造された例は他にありません。

古墳については、雄略天皇陵であるという民話が残る一方で、敏達天皇が磯長陵から改葬されたという説も存在します。また、盛土の低さや周濠の浅さ、埴輪の未設置といった特徴から、被葬者が完成前に死去したとする説があり、安閑天皇の真陵である可能性も指摘されています。安閑天皇は在位期間が短く、暗殺説も存在する人物です。ただし、これらの特徴は、見瀬丸山古墳（五条野丸山古墳）などに見られる6世紀後半の古墳の特性として捉えるべきだという反論もあります。さらには、欽明天皇陵として築かれたものの、後に大和盆地に陵墓が築かれることになったために放棄されたという説まで存在します。

大正時代には、古墳の墳丘内に人々が住居を構えて村を形成していましたが、1925年に陵墓参考地に指定されたことで強制的に退去させられ、1932年以降は立ち入り禁止となり、現在に至っています。古墳の管理は宮内庁が行っています。

特徴

かつて古墳に住んでいた人々の証言から、後円部には横穴式石室の埋葬施設が存在する可能性が高いとされています。また、見瀬丸山古墳や鳥屋ミサンザイ古墳と同様に、前方部の中央がやや外側に突き出すような「剣菱形」と呼ばれる独特の形状をしている点も特徴です。埴輪は確認されていません。築造時期は、今城塚古墳と見瀬丸山古墳の中間頃と推定されています。

位置づけ

大塚山古墳は古市古墳群の一つとされていますが、百舌鳥古墳群と古市古墳群のほぼ中間に位置し、両古墳群から離れた場所に存在します。そのため、学術的には古市古墳群に該当しないという見方もあり、世界文化遺産に登録された両古墳群のリストには含まれていません。

この古墳は、大阪みどりの百選にも選定されています。

規模

古市古墳群において最後に築造された巨大な前方後円墳であり、その規模は全国で5番目に相当します。墳丘の周囲には濠が巡らされています。

墳丘長：335メートル
前方部幅：230メートル
後円部直径：185メートル
前方部高さ：4メートル
後円部高さ：20メートル

所在地とアクセス

所在地：大阪府松原市西大塚、羽曳野市南恵我之荘
交通アクセス：
近鉄南大阪線 河内松原駅 徒歩10分
近鉄南大阪線 恵我之荘駅 徒歩5分

関連情報

関連項目：丹下盛賢
* 外部リンク：ウィキメディア・コモンズ - 河内大塚山古墳に関するカテゴリ

大塚山古墳は、その規模の大きさだけでなく、未だ解明されていない多くの謎を秘めた古墳として、歴史ファンや研究者たちの興味を引き続けています。

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