丹下盛賢

丹下盛賢（たんげ もりかた）

丹下盛賢は、戦国時代の武将であり、尾州畠山氏の家臣として河内国丹下城を拠点に活躍しました。

丹下氏について

丹下氏は、河内国丹南郡丹下（現在の羽曳野市恵我之荘周辺）を本拠とする国人です。盛賢以前には、畠山政長に仕え、幕府や公家との交渉役を務めた丹下三郎右衛門尉がいました。彼は明応2年（1493年）に政長と共に自刃しています。

盛賢の台頭

盛賢は、初め畠山尚順に仕え、守護奉行人筆頭の地位に就きます。永正17年（1520年）に尚順が没落し、稙長が家督を相続すると、盛賢の地位はさらに向上しました。それまで他の内衆と連署していた書状に単独で署名するようになり、守護代と同等の書状を発給するなど、その権勢を強めていきました。

稙長の失脚と復帰

天文3年（1534年）、守護代の遊佐長教と対立した稙長が紀伊国へ退去する際、盛賢はこれに付き従いました。天文7年（1538年）には、稙長の河内侵攻において知行宛行の調整役を務めています（「湯河家文書」）。

天文10年（1541年）に稙長が長教と和解し、高屋城に帰還すると、守護家内衆筆頭であった盛賢が長教に書状を送り、長教もこれに応じて書状を発給するなど、両者の関係修復に尽力しました（「葛原家文書」）。稙長の紀伊在国中は、長教が実質的に河内を支配していたと考えられますが、稙長の河内復帰によって、以前の守護・守護代による支配体制が復活しました。

丹下氏の終焉

天文14年（1545年）5月15日に稙長が亡くなると、盛賢もほどなくして病没しました。丹下氏の名跡は平盛知が継承しました。丹下氏の居城であった丹下城は、大塚山古墳を利用して築かれたとされています。

参考文献

小谷利明『畿内戦国期守護と地域社会』清文堂出版、2003年。ISBN 4-7924-0534-3。
弓倉弘年『中世後期畿内近国守護の研究』清文堂出版、2006年。ISBN 4-7924-0616-1。

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