河川敷

河川敷（かせんしき、かせんじき）とその利用

河川敷とは、常に水が流れている区域（低水敷）と増水時に水に浸かることになる土地（高水敷）を合わせた土地のことを指します。この区域は一般的に河道と呼ばれる部分に堤防敷を加えたもので、水の流れに影響を受けるため、さまざまな利用形態が存在します。また、航行が可能である場合、航路としても利用されることがあります。

河川区域について

河川敷に関する法律は、河川法第6条第1項に基づいて、主に以下の3つの区域に分類されています。まず第1に、河川の流水が常に存在する土地や、その影響を受けた土地（この場合、一時的に洪水などにより当該状況となる土地は除外されます）。次に、河川管理施設がある土地の区域、そして最後に、堤外にある土地で、特定の条件を満たすものとして河川管理者が管理を行う区域です。これらの区域は、河川法により厳密に定義されており、河川管理者の許可があれば利用が可能です。

高水敷の土地利用

高水敷の土地利用は、河川法第24条に従い、許可が必要です。一般的には、スポーツ施設や公園などの公共利用が主流ですが、一部私有地として農業が行われていることもあります。この場合、特に長期間にわたり使用している場合は既得権が認められていることが多いです。

占拠の問題

河川敷においては、ホームレスによる占拠も見られます。この場合、簡易な住居が作られることがありますが、管理者はこうした占拠を黙認し続けると居住権が発生する恐れがあるため、強制撤去が行われることがあります。例えば、令和元年の台風19号の際には、避難呼びかけが行われたにもかかわらず、溺死者が出る事態にも至りました。

また、近隣住民が無許可で作った家庭菜園が広がり、本格的な耕作地として機能するケースもあります。このような場合、河川管理者から撤去勧告がなされ、逆らった場合には行政代執行による強制排除が行われます。千葉県では、不法占有に関する報告があり、377件のケースが記録されています。

事例：大阪府の河川敷

大阪府の淀川では、野球やサッカーのチームが無許可で河川敷に施設を設置し、長年にわたり利用していました。しかし、これは河川法に違反するため、撤去の要請が何度も行われました。近年、豪雨が多発した影響で、これらのチームは撤去に向けて動きを見せるようになりました。具体的には、2021年3月までに33のチームが撤去を進める意向を示しました。

在日外国人によるヤミ畑問題

特に注目されるのは、在日外国人、特に在日中国人による違法な河川敷での農作物栽培です。地方自治体は、強制的に撤去することができず、行政的に対処するのが難しい状況にあります。これにより、非合法に耕作を続ける現象が深刻化しており、地方行政は対応に追われています。このような現象が続くことで、さらなる法的・社会的問題が惹起される可能性があります。

まとめ

河川敷は水と人々が関わる重要な地域で、公共利用から個々の占有問題まで多様な利用形態を持っています。河川管理者と地域住民、利用者との関係の構築が今後の課題となるでしょう。

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