河村通夫の桃栗三年

河村通夫の桃栗三年

『河村通夫の桃栗三年』（かわむらみちおのももくりさんねん）は、STVラジオにて1984年4月9日から1987年12月まで放送されていたラジオ番組です。パーソナリティは、生活文化研究家でありタレントの河村通夫氏が務めました。

番組の概要

本番組は、主に自然をテーマとしており、後に続く河村氏の「桃栗」を冠したラジオ番組シリーズの原点、ルーツにあたる位置づけです。番組タイトルの「桃栗三年」は、「桃栗三年柿八年」という日本の慣用句に倣いつつ、パーソナリティである河村氏が番組開始当時、居住地であった栗沢町（現在の岩見沢市の一部）から札幌のSTVラジオスタジオまで、毎日のように通っていた道のりの中で抱いた、自身の心境が反映されています。河村氏は、この番組を3年間続ける中で、自身が納得できるような番組内容に育て上げ、それを節目として、以降はもう少しゆったりとしたペースで生きていきたい、という意図を込めてこのタイトルを選んだとされています。このタイトルには、単なる慣用句の引用に留まらない、番組に対する特別な決意と、パーソナリティ自身のライフスタイルへの思いが込められていたと言えるでしょう。

番組内では、河村氏が提唱する「米ぬか健康法」に関する情報や実践方法なども紹介され、リスナーからの関心を集めました。

リスナーへのプレゼント企画も特徴的で、番組のノベルティグッズとして、なんとドラム缶1本分の灯油が用意されていました。これは毎週抽選で2名のリスナーに贈られるという、当時としては非常にユニークでインパクトのあるプレゼントでした。特に寒冷地である北海道のリスナーにとっては、実用的かつ大変喜ばれる賞品であったことが想像されます。

主なコーナー

番組では、多岐にわたるテーマを取り上げる様々なコーナーが設けられていました。以下に主なコーナーを挙げます。

河村通夫のここだけの話
女の主張コンクール（金曜のみ、10:00枠で1986年10月から1987年途中まで放送）
裁判所に行かないための相談室（金曜のみ、10:00枠で1987年途中から放送）
ペリカン・ランランぱくりっこ
ひげマークコーナー
心の天気図
手作りライフ
桃栗相談（月曜日から木曜日まで放送）
私の北海道開拓史（金曜のみ、11:00枠で放送）
バラの花束プレゼント
河村通夫の3分料理
今日もいい日に
ミュージックダイアリー
池波志乃のおじゃまします（ニッポン放送制作の内包番組、1986年10月から放送）

特に「私の北海道開拓史」コーナーでは、実際に北海道の開拓を経験した人々、あるいは幼少期に開拓時代を過ごした人々が毎週ゲストとして出演し、パーソナリティの河村氏と対談するという形式で放送されました。このコーナーを通じて、北海道の歴史や人々の苦労、そして開拓時代の貴重な体験談が、リスナーに伝えられました。また、「女の主張コンクール」や「裁判所に行かないための相談室」のように、リスナーの日常生活における悩みや主張に寄り添う社会派のコーナーも設けられており、番組の多様性を示していました。ニッポン放送制作の「池波志乃のおじゃまします」は、外部制作の番組を内包する形での放送でした。

関連文献

本番組に関連する書籍として、番組制作のSTVラジオが編集した書籍が刊行されています。

* STVラジオ「河村通夫の桃栗三年」（編）『さんまのカレーライス : 私の開拓ものがたり』（みやま書房、1986年5月20日刊行）

この書籍は、特に番組内の人気コーナーであった「私の北海道開拓史」での対談内容をまとめたものであると考えられます。番組で紹介された開拓にまつわる話が、活字となって多くの読者に届けられました。番組は3年8ヶ月にわたる放送期間を通じて、自然、健康、そしてリスナーの生活に寄り添う幅広い話題を提供し、当時のリスナーに親しまれました。河村通夫氏のライフスタイルや考え方が色濃く反映された、個性豊かなラジオ番組として記憶されています。

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