河江肖剰

河江 肖剰（かわえ ゆきのり）

河江 肖剰は、1972年生まれの日本人エジプト考古学者で、現在名古屋大学高等研究院の准教授を務めています。彼はエジプト学、特にピラミッドの研究や3D計測の専門家として広く知られており、米国ナショナル ジオグラフィック協会のエマージング・エクスプローラーとしても活動しています。

来歴

彼は兵庫県宝塚市で生まれ、1992年から2008年までエジプトのカイロに居住しました。この期間中、彼はバヒ・トラベル・エージェンシーでガイド兼通訳として働き、徐々に考古学者としての道を歩み始めました。2003年にカイロ・アメリカン大学でエジプト学の学位を取得。その後、2004年には米国古代エジプト調査協会のプロジェクトに参加し、ギザのヘイト・エル＝グラブ遺跡の発掘を担当しました。

2006年には、ケントカウエス女王墓の3D計測調査を行い、エジプトの遺跡における最新技術の導入に貢献しました。2007年には、ルクソール東岸の修復プロジェクトに参加し、考古写真の専門家としてその役割を果たしました。そして、2008年にはサッカラの階段ピラミッドの3D計測プロジェクトにフィールド・ディレクターとして従事しました。

2012年には、名古屋大学で歴史学の博士号を取得し、さらなる研究に励みました。2013年からはギザ3D調査プロジェクトを立ち上げ、クフ王の大ピラミッドの調査に取り組みました。このプロジェクトは、TBSの「世界ふしぎ発見」と協力し、ピラミッドの頂上や内部構造を詳細に調査するものでした。

受賞歴と専門的活動

2016年には、ナショナル ジオグラフィック協会によって「新世代の探求者」に選ばれ、2018年には名古屋大学高等研究院の准教授に任命され、国際ジュゼッペ・シャッカ賞を受賞しました。彼の研究活動は、最新の技術との融合を進めつつ、民間企業やメディアとの連携も視野に入れています。アウトリーチ活動の一環として、複数のメディアにおいてエジプト文明の魅力を広めています。

特に目を引くのは、YouTubeチャンネル「河江肖剰の古代エジプト」の開設で、古代エジプトに関するコンテンツを通じて一般の人々に情報を発信しています。2024年からは名古屋大学のデジタル人文社会科学研究推進センターでの研究プロジェクト部門にも参加します。

まとめ

河江肖剰の業績は、単なる考古学の枠を超え、デジタル技術を駆使した新しい考古学的アプローチを展開しています。彼の研究が、私たちの古代エジプトに対する理解を深め、世界中の人々にその神秘を伝える手助けをしていることは確かです。今後も彼の活動に注目が集まることでしょう。

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