ナショナル ジオグラフィック協会

ナショナル ジオグラフィック協会について

ナショナル ジオグラフィック協会（National Geographic Society、略称NGS）は、1888年1月13日にアメリカ合衆国ワシントンD.C.で設立された、世界最大級の非営利科学・教育団体です。この協会は地理学を普及させることを目的とし、33名の探検家や教師、軍人などによって設立されました。最初の会長は、弁護士であり、社会活動家でもあるガーディナー・グリーン・ハバードが務めました。

歴史と発展

ナショナル ジオグラフィック協会が設立された当時、アメリカでは「フロンティアの消滅」が宣言されたばかりでした。第二代会長を務めたのは、電話の発明者であり、ハバードの義理の息子でもあるアレクサンダー・グラハム・ベルで、彼は1898年に就任しました。また、著名な日本の海軍軍人である山本五十六も協会の会員として知られ、ナショナル ジオグラフィック誌の愛読者でした。

協会は1963年にNational Geographic Televisionを設立し、自然や科学、地理、歴史に関する映像素材を制作しています。1997年には、ドキュメンタリー専門の「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」を設立し、今では世界160ヶ国で放映されています。このチャンネルは、エミー賞を受賞したドキュメンタリーを含む多くの優れた作品を提供しています。2005年には、視聴世帯数が3億世帯を超えています。

雑誌の発行

ナショナル ジオグラフィック協会の発行する雑誌は、協会設立から8ヶ月後の1888年9月22日に初めて出版され、当初は『The National Geographic Magazine』という名称でしたが、1997年には「National Geographic」という略称で広く知られるようになりました。この雑誌は1896年から月刊誌として発行され、特徴的な黄色に縁取られた装丁が特徴です。現在では、世界でもっとも有名な雑誌の一つとなっています。日本語版は1995年に創刊され、世界中で900万部以上が販売されています。

主要プロジェクトへの支援

ナショナル ジオグラフィック協会は、様々な探検や調査のプロジェクトに対して資金提供を行っています。2005年時点では、7,500件以上のプロジェクトに支援を行ったことが報告されています。これには、北極探検における初の北極点到達や、インカ帝国の空中都市マチュ・ピチュの発見、ジャック＝イヴ・クストーによる深海調査など、数多くの重要な探検が含まれています。

さらに、ジェノグラフィック・プロジェクトとして、全世界の聞き取った民族の遺伝子データを収集し、人類の進化を探る活動や、ホモ・ナレディの発見など、科学研究に寄与する重要な業績も行っています。

結論

ナショナル ジオグラフィック協会は、地理学の普及を目指し、教育と科学の重要な調査と探求を促進する役割を果たしています。その影響は、世界中の人々に感動や知識を提供し続けており、今後の活動にも期待が寄せられています。協会には、科学者から一般の人々まで、多くの人々が参加しており、地球の自然と文化を理解するための架け橋となっています。

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