河演

河 演（ハ・ヨン）について

河演は李氏朝鮮時代、特にその初期の政治家として高い評価を受けた人物です。本貫は晋陽河氏で、生涯の中で様々な要職を歴任し、特に名宰相としての地位を確立しました。

略歴

河演は洪武9年8月13日（1376年8月28日）生まれ、1396年の式年文科に合格し、行政の道に進みました。彼は1431年に大提学に任命され、その後大司憲や刑曹判書、左参賛などの要職を経て、1445年には左賛成として力量を発揮しました。また、彼は右議政や左議政を歴任し、1449年からは議政府に参加し、法の遵守に努め「昇平守文」と称されるほどの後任宰相にまで成長しました。彼の業績は非常に高く評価され、特に黄喜の後に続いて権力の中枢を担った唯一の宰相として知られています。1451年には文宗により大慈寺の重修に反対の上訴を行い、その結果、官職を退くことになり1453年にこの世を去りました。

学問と思想

河演は高麗時代の節義派の士大夫・鄭夢周の弟子でもあり、父は高麗の儒臣河自宗でありました。彼は節義派の思想を受け継ぎながら、性理学の領域で際立った貢献をしました。特に「孝」や「敬」といった概念に対する理解は非常に深く、日常生活に実践的に応用していました。彼の性理学は、北宋の学者の理論を超え、南宋の朱熹の著作「敬斎箴」などを通じて独自の進展を見せました。このように、河演は高麗末の思想を受け継ぎつつ、さらなる修養論の深まりを実現したのです。

賞勲と追悼

彼の政治に対する功績は太宗に評価され、李氏朝鮮開国後、最初に実施された経筵において初の参賛官を務めました。また、文宗の王世子時代には世子師として教えを施していました。1445年には右議政として70歳を迎え、世宗から几杖を賜るなど、長年の功績が認められました。1453年に亡くなってからは、端宗が3日間朝会を中断するほどの哀悼を表しました。1454年には文宗の宗廟に配享され、粛宗の治世には宗川書院や新川書院で追悼されました。

彼の直系末裔には河太沅（李氏朝鮮中期の儒学者）、河敬徳（社会学者・言論人）、河在世（大韓帝国の教育者・儒学者）、河承武（歴史神学者・詩人）らがいて、彼の思想は代々受け継がれています。

参考文献

• - 『世宗実録』
• - 『文宗実録』
• - 『端宗実録』
• - 『新増東国輿地勝覧』
• - 『国朝榜目』
• - 『海東名臣録』
• - 『私淑斎集』
• - 『敬斎集』
• - 『燃藜室記述』
• - 『嶺南人物考』

これらの資料を通じて、河演の功績や思想についてさらに深く学ぶことができるでしょう。

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