河田悌一

河田悌一氏は、1945年京都府京都市に生まれ、中国哲学研究者として著名な人物です。関西大学東京センター長(2021年4月1日～)を務める傍ら、一般社団法人大学基金推進機構理事長(2020年9月1日～)としても活躍しています。以前には、一般社団法人大学資産共同運用機構理事長(2018年7月1日～2020年8月31日)、日本私立学校振興・共済事業団理事長(2010年1月1日～2018年3月31日)といった要職を歴任。また、関西大学教授、第38・39代学長も務めました。専門は中国思想史、現代中国論であり、大阪大学で博士(文学)の学位を取得しています。

生い立ちと学歴

1945年、京都で誕生した河田氏は、京都市立北白川小学校、同志社中学校、京都府立鴨沂高等学校を経て、大阪外国語大学中国語学科に進学。1968年に卒業後、大阪大学大学院文学研究科に進み、1972年に博士課程を単位取得後退学しました。

研究者としてのキャリア

1972年より和歌山大学経済学部助手として教鞭を執り始め、講師、助教授へと昇任。1980年には文部省長期在外研究員としてイェール大学に派遣され、余英時教授の指導を受けました。1986年には関西大学文学部教授に就任。1991年には再びプリンストン大学にて余英時教授の下で在外研究を行いました。

大学運営への貢献

1998年より関西大学文学部長、2001年より副学長、2003年から2009年まで学長を歴任。2003年からは学校法人関西大学理事も兼務し、大学運営に大きく貢献しました。2009年には、長年の研究成果をまとめた論文『近代中国思想史の研究 ：伝統思想から近代思想への展開』を大阪大学に提出し、博士(文学)号を取得しました。

その他の役職と活動

河田氏は、教育・研究分野での活動も多岐に渡ります。2010年から2018年まで日本私立学校振興・共済事業団理事長を務めたほか、文部科学省中央教育審議会臨時委員、大学教育再生加速プログラム(AP)委員会委員長、日本学術振興会育志賞選考委員会委員など、数多くの委員を歴任。公益財団法人村田学術振興財団、公益財団法人竹中育英会、公益財団法人三井住友銀行国際協力財団、一般財団法人公正研究推進協会の理事や評議員も務めています。また、国立大学法人金沢大学、千葉大学、筑波大学の経営協議会学外委員、IDE大学協会理事、織田作之助賞名誉顧問など、幅広い分野で活躍しています。

受賞と栄典

長年の教育・研究への貢献が評価され、2021年4月には瑞宝重光章を受章しました。

研究内容と業績

専門は中国思想史、現代中国論であり、著書多数。『中国近代思想と現代-知的状況を考える』(1987年)、『中国を見つめて』(1998年)、『書の風景-書と人と中国と』(2007年)、『定点観測 －中国哲学思想界の動向－』(2011年)、『書に想い時代を讀む』(2014年)など、多数の著作があります。また、翻訳書として、何長工(森時彦共訳)『フランス勤工倹学の回想―中国共産党の一源流』(1976年)などがあります。

家族・親族

祖父は経済学者の河田嗣郎であり、従弟には政治学者のフランシス・フクヤマがいます。母方の祖父が河田嗣郎である点が、親族関係を繋いでいます。

河田悌一氏は、中国哲学研究者としてのみならず、教育者、大学運営者、社会貢献者として、多方面で活躍を続けています。

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