河野広隆

河野広隆

河野広隆（かわの ひろたか、1954年 - ）は、日本の著名な土木工学者であり、京都大学名誉教授です。専門はコンクリート工学、社会基盤構造物の維持管理。

人物・経歴

東京工業大学工学部を卒業後、1979年に東京工業大学大学院理工学研究科土木工学専攻修士課程を修了。その後、建設省に入省し、土木研究所トンネル研究室に所属しました。土木研究所では、技術推進本部主席研究員、材料地盤研究グループ長などを歴任し、2005年には京都大学にて博士（工学）の学位を取得しています。

2006年からは京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻複合構造デザイン工学講座教授に就任。その後、京都大学経営管理研究部教授、京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻併任として教鞭をとる傍ら、全ISO55000対応国内委員会委員長、JIS土木技術専門委員会委員長、道路橋示方書主査、ISO/TC251国内審議委員会委員長、土木学会コンクリート委員会常任委員、大阪府都市基盤施設技術審議会委員など、数々の要職を歴任しました。

2014年には京都大学経営管理研究部長、京都大学経営管理教育部長、京都大学教育研究評議会評議員、京都大学吉田寮業務実施委員会委員、京都大学吉田寮整備委員会委員に就任。2020年に定年退職し、京都大学名誉教授となりました。現在は、京都大学経営管理大学院客員教授、構造総合技術研究所顧問として、後進の育成や研究活動に尽力されています。

研究内容

専門はコンクリート工学であり、特にコンクリートの耐久性向上や、社会基盤構造物の維持管理に関する研究に力を注いできました。コンクリートのひび割れ対策や、微量成分の環境影響評価など、多岐にわたるテーマに取り組んでいます。

受賞歴

1987年 セメント協会論文賞
2003年 文部科学大臣賞
2004年 土木学会吉田賞論文賞
2008年 経済産業大臣表彰 工業標準化事業表彰
2010年 日本コンクリート工学協会賞（功労賞）
2014年 国土交通大臣建設行政関係功労表彰
2013年 日本材料学会コンクリート構造物の補修、補強、アップグレードシンポジウム最優秀論文賞
2019年 実験力学会技術賞
2020年 土木学会吉田賞研究業績部門
2023年 土木学会功績賞

著作

『土木構造物の構築におけるコンクリートの微量成分の環境影響評価』土木研究所 2002年
『コンクリートのひび割れがわかる本』（共編）セメントジャーナル社 2003年
『実践コンクリートの試験方法 : 真の目的を理解し,正しく理解するために』（共編著）セメント新聞社 2011年
『コンクリートの初期ひび割れ対策』（共編著）セメントジャーナル社 2012年


河野広隆教授は、長年にわたりコンクリート工学の発展に貢献し、数々の研究成果を社会に還元してきました。その功績は、土木工学界において高く評価されています。

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