河野稠果

河野稠果（こうの しげみ）

プロフィール

河野稠果氏は、1930年10月29日生まれの日本の人口学者です。麗澤大学名誉教授として知られています。

経歴

広島県で生まれ、1949年に旧制山口高等学校を卒業しました。その後、1953年に山口大学文理学部社会学専攻を卒業。アメリカへ渡り、1958年にブラウン大学大学院社会学研究科博士課程を修了し、Ph.D.（社会学博士）を取得しました。

帰国後、厚生省人口問題研究所に入所し、研究者としてのキャリアをスタートさせました。1961年から1963年までは、インドのボンベイ国際連合人口研修・研究センターで教授として教鞭を執りました。1963年に厚生省人口問題研究所の厚生技官となり、1965年にはユーゴスラビアで開催された世界人口会議で座長を務めるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

1967年、国際連合本部人口部専門官に転任し、1973年から1978年までは同人口推計課長を務めました。その後、厚生省人口問題研究所に再転任し、人口情報部長、人口政策部長を経て、1986年から1993年まで同研究所の所長を務めました。

研究者としての活動の傍ら、教育者としても活躍し、麗澤大学国際経済学部教授として教鞭を執り、2006年に同大学の名誉教授となりました。

研究内容と業績

河野氏は、人口学研究の第一人者として、国内外の人口問題に関する研究に深く携わってきました。特に、少子高齢化、国際人口移動、人口政策など、現代社会が抱える重要な課題に取り組んでいます。

長年にわたる研究活動を通じて、人口問題に関する多くの著書や論文を発表し、学術界に大きく貢献しました。また、国際連合での勤務経験から、国際的な視点からの人口問題への理解を深め、その知見を社会に広く還元しています。

著書

河野氏の主な著書には以下のようなものがあります。

『世界の人口』（東京大学出版会、1986年）
『人口学への招待 少子・高齢化はどこまで解明されたか』（中公新書、2007年）

共編著

『欧米における出生力低下の動向と出生政策』（阿藤誠共著、日本児童問題調査会、1982年）
『低出生力をめぐる諸問題』（岡田実共編、大明堂、1992年）
『世界の人口問題』（濱英彦共編、大明堂、1998年）
『人口と文明のゆくえ』（大淵寛共編、大明堂、2002年）
『国際人口移動の新時代』（吉田良生共編著、原書房、2006年）

翻訳

M.S.タイテルボーム, J.M.ウインター『人口減少 西欧文明衰退への不安』（黒田俊夫共監訳、多賀出版、1989年）
国際連合経済社会局編『国際連合世界人口予測データ :1950～2025』（監訳、原書房、1990年）

参考資料

佐藤政則「河野稠果先生への謝辞 河野稠果教授略歴等一覧 主要業績一覧」『麗澤経済研究』2006-03

まとめ

河野稠果氏は、人口学研究における日本の第一人者であり、その研究業績と国際的な活動は、人口問題の理解と解決に大きく貢献しています。研究者、教育者としての長年の功績は、社会に多大な影響を与えています。

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