河野義克

河野義克：国会運営と図書館行政に尽くした生涯

河野義克（こうの よしかつ）は、1913年7月12日に静岡県で生まれ、2003年7月17日に90歳で亡くなった、日本の内務官僚、国会職員です。参議院事務総長、国立国会図書館長を歴任しました。

生い立ちと学歴

社会教育家・貴族院議員の田澤義鋪の次男として生まれ、旧姓は田澤でした。21歳の時に会計検査院長・河野秀男の養子となり、河野姓を名乗るようになります。成蹊小学校、旧制成蹊高等学校を経て、1937年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業。在学中に高等文官試験行政科に合格しています。

内務官僚から国会職員へ

大学卒業後、内務省に入省し岐阜県属として赴任しますが、1938年に臨時召集により軍籍に入り満州へ。1940年に帰還後、岐阜県庁、福井県地方課長を経て、1941年に貴族院事務官に転任。これは、養母への配慮から上司が取り計らったものでした。

その後、30年以上にわたり国会職員として、参議院の運営や選挙制度の改革に尽力します。特に1956年の教育二法案の審議では、議会史上前例のない議長命による警察官の議場導入という事態の中、事務次長として自らも暴行を受けながら、法案成立に導きました。

国立国会図書館長としての活動

1965年に参議院事務総長を退任後、国立国会図書館長に就任。1970年まで3代目館長として図書館運営に貢献しました。退任後は、財団法人東京市政調査会理事長や東京都公安委員会委員長などを務めました。

晩年と死

2001年4月、東京カテドラル聖マリア大聖堂で洗礼を受け、洗礼名をフランシスコ・ザビエル河野義克としました。長年親しんだ日比谷の地での卒寿のお祝いの席で倒れ入院、2003年7月17日に心不全のため亡くなりました。墓所は多磨霊園にあります。

河野義克は、激動の時代を生き抜き、国会運営と図書館行政に大きな足跡を残した人物です。

参考文献

* 『国会とともに―河野義克遺稿集』（河野義克著 河野義克遺稿集編纂委員会編）

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