油井正昭

油井正昭（ゆい まさあき）氏は、日本の造園学界における重鎮の一人です。長年にわたり千葉大学の教壇に立ち、現在は同大学の名誉教授の称号を得ています。また、江戸川大学国立公園研究所の客員教授としても活動しており、後進の指導や研究活動に精力的に取り組んでいます。

油井氏は、造園学、自然環境、都市計画、レクリエーションといった幅広い分野で重要な役割を果たしてきました。日本造園学会では評議員、理事、監事、常務理事、関東支部長など、様々な役職を歴任し、学会の運営や発展に貢献しました。また、日本レジャー・レクリエーション学会では常任理事として副会長や会長を務め、この分野の研究振興に尽力しました。日本観光研究学会や日本都市計画学会においても理事や学術委員などの要職を担い、関連分野との連携を深めました。

学術団体だけでなく、実務的な環境保全団体でも指導的立場にありました。財団法人国立公園協会では常務理事、さらには元理事長を務め、日本の国立公園制度の維持・発展に貢献しました。また、（一社）自然環境共生技術協会の特別会員でもあり、技術的な側面からの自然環境保全にも関与しています。

油井氏の業績は多岐にわたりますが、特に自然保護や景観保全に関する具体的な計画立案で顕著な成果を残しています。主な実績としては、1990年の「美ヶ原自然保護センター基本構想計画」、1991年の「日光国立公園（塩原地区）の景観」に関する調査研究、1993年の「八溝山地域の景観」評価、1999年の「崎山湾自然環境保全地域等の周辺陸域環境保全」計画策定などがあり、これらは日本の重要な自然地域や景観の保全に大きく寄与しました。

著書としては、自然公園の第一線で活動する人々を描いた『レンジャーの先駆者たち』（財団法人自然公園財団、2003年）に共著者として名を連ねています。

その長年の研究活動と実務における貢献は高く評価されており、数々の権威ある賞を受賞しています。1985年には（財）国立公園協会より第6回田村賞、1989年には研究論文部門で日本造園学会賞を受賞しました。さらに、1999年度（平成21年度）には日本造園学会において上原敬二賞を受賞しており、これは日本の造園学分野における最高の栄誉の一つとされています。2014年度（平成26年度）には、「みどりの日」自然環境功労者として環境大臣表彰を受彰し、日本の自然環境保全における功労者として改めてその業績が称えられました。

油井氏は現在も、日本観光研究学会、国際造園学会、日本レジャー・レクリエーション学会、農村計画学会、日本都市計画学会、日本造園学会など、国内外の主要な学術組織に所属し、活発な活動を続けています。これらの活動を通じて、油井正昭氏は日本の造園学、自然環境保全、そして地域計画の分野における理論と実践の両面において、多大な足跡を残しています。

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