治山
治山（ちさん）とは
治山とは、主に荒れた山や土地を復旧するための事業で、森林法に基づいて実施されます。この活動は特に山地や海岸の保安[[林]]内で行われ、さまざまな保安施設の整備を目的としています。
概要
治山事業では、まず土壌や植生を安定させるための山腹工事が行われます。これは、山腹の崩壊を防ぐための構造物を設置し、さらに森林の生育環境を改善することが目的です。具体的には、生育が不良な森林の整備や、崩壊した斜面への土留めの施工、渓流の保護を目的とした治山ダムの設置が含まれます。
これらの施策により、森林が長期にわたって形成され、下流への土砂流出を抑制する防災機能も果たします。特に集落に近い危険な斜面は、山地災害危険地区として指定され、優先的に整備が進められます。このような特徴から、治山事業は土地の保全だけでなく、生態系の維持や住民の安全にも寄与しています。
実施箇所
治山事業が行われるのは、火山周辺や地すべり地帯、断層の多い地域、変成岩の分布がある脆弱な地質条件の場所です。これらの場所は、慢性的に斜面崩壊が起こりやすく、治山が特に重要です。各事業ポイントは、急傾斜であったり、気象条件が厳しい場所であるため、交通が不便な場合も多くあります。そのため、1年ごとに緑化や植栽を行い、次年度に向けた工事の基礎的な作業として谷止工や土留工を造ることが求められます。このような作業が数年から数十年にわたって行われるため、規模によっては百年をかけて進行することもあります。
治山事業は、民有地では都道府県が補助を受けて行い、一方で国有地や大規模な被災地では国直轄で施工されることが多く、このように適切な資源管理と保全活動が求められています。
近年の主要な施行地
最近では、有珠山や雲仙普賢岳の火山周辺、さらに新潟県中越地震や岩手・宮城内陸地震によって生じた崩壊地、さらには九州北部豪雨による被災地などで治山事業が進められています。これらの地での取り組みは、過去の災害を踏まえた再発防止や地域の自然環境の保護にもつながっています。
参考文献
関連項目
治山は、単なる土木工事ではなく、地域の環境や生態系を保全しながら持続可能な社会を築くための重要な取り組みです。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。