法制局 (太政官制)

法制局（ほうせいきょく）

法制局は、明治時代に日本において正院に置かれた、法制の起草および修正を専門とする機関です。

概要

1873年（明治6年）の太政官制改革において、正院の内史に法制課が設置され、諸法式や規則に関する調査を担当しました。1875年（明治8年）7月3日、法制課は廃止され、その事務は内史本課に統合されました。しかし、法案の起草と審査機能を専門化するため、内史から独立した機関として法制局が新たに設けられました。

同年9月に定められた法制局章程によれば、法制局は正院の命令を受け、法制の起草・修正を行うものとされました。具体的には、正院において新たに起草または改正される法制案の審議・起案を担当し、元老院や各省から提出された法制案の審査も行いました。

法制局設置当初の職員は、長官1名、法制官10名、書記10名で構成されていました。1876年（明治9年）には、主事が追加されました。

初代長官には参議の伊藤博文が任命され、翌年には新たに設置された主事に井上毅が就任しました。

1880年（明治13年）3月3日の太政官達により、法制局は調査局とともに廃止されました。これにより、法制・会計・軍事・内務・司法・外務の六部が設置される太政官六部制へと移行しました。法制局の所管事務は法制部に移管され、さらに翌年には参事院に引き継がれました。

歴代長官

法制局長官には、以下の3名が就任しました。

1. 伊藤博文
2. 井上馨
3. 寺島宗則

参考文献

笠原英彦（1998）「内閣法制局前史小考 : 法制官僚と行政立法」法學研究:法律・政治・社会71巻1号
七戸克彦（2011）「現行民法典を創った人びと（24）査定委員32・33 : 木下周一・斯波淳六郎、外伝20 : 内閣法制局」法学セミナー56巻4号
水野京子（2007）「明治初年における行政・立法分離問題」書陵部紀要第58号

関連項目

近代日本の官制
内閣法制局
元老院

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