近代日本の官制

近代日本の官制の変遷

近代日本の官制は、王政復古を経て成立した明治政府によって、大きく変革を遂げました。慶応3年（1868年）の三職制から始まり、太政官制、内閣制へと移行し、行政機構は整備されていきました。ここでは、その変遷を詳細に見ていきます。

三職制 (1868年1月3日～1868年6月11日)

慶応3年12月9日（1868年1月3日）、明治政府は、総裁、議定、参与の三職を設置しました。これは、摂政、関白、幕府などの旧体制を廃止し、新たな政府機構を構築する第一歩でした。内覧、勅問御人数、国事御用掛、議奏、武家伝奏、守護職、所司代といった役職も同時に廃止されました。慶応4年1月17日（1868年2月10日）には、三職の職制が定められ、各職務が分課されました。さらに同年2月3日（1868年2月25日）、組織は7課から8局へと改編され、総裁局が新設されました。また、徴士、貢士の制度も導入され、貢士は「下ノ議事所」の議事官として活動しました。慶応4年3月14日（1868年4月6日）には、五箇条の御誓文が発布され、政府の基本方針が示されました。

太政官制

政体書による8官制 (1868年6月11日～1869年8月15日)

慶応4年閏4月21日（1868年6月11日）に政体書が制定され、太政官の権力が立法、行法、司法の三権に分割されました。それぞれ議政官、行政官、刑法官が担当することになりました。慶応4年7月17日（1868年9月3日）には、明治天皇が東京に行幸し、江戸を東京と改称することが布告されました。明治2年2月24日（1869年4月5日）には、太政官が東京に移転しました。

2官6省制 (1869年8月15日～1871年9月13日)

明治2年6月17日（1869年7月25日）には、版籍奉還が行われました。同年7月8日（1869年8月15日）には、職員令によって官位制度が大幅に改正されました。従来の百官や受領が廃止され、太政官制は8官から2官6省に再編されました。位階も改正され、従来の従四位以下の上下が廃止され、正一位から少初位までの全18階となりました（同年8月20日（1869年9月25日）には、正従九位が新設され全20階となりました）。

三院制 (1871年9月13日～1875年4月14日)

明治4年7月14日（1871年8月29日）には、廃藩置県が実施されました。同年7月29日（1871年9月13日）には、官制が改正され、さらに同年8月10日（1871年9月24日）に再度改正されました。従来の官位相当制は廃止され、新たに全15等の官等が設けられました。

明治8年の官制 (1875年4月14日～1885年12月22日)

1875年（明治8年）2月11日には、大阪会議が開催されました。同年4月14日には、立憲政体樹立の詔が発布され、立憲政治への移行が示唆されました。

内閣制

太政官達第69号と内閣職権 (1885年12月22日～1889年12月24日)

1885年（明治18年）12月22日に、太政官達第69号と内閣職権が定められ、太政官制に代わって内閣制が創設されました。これにより、近代的な行政機構が確立されました。

大日本帝国憲法と内閣官制 (1889年12月24日～1947年5月2日)

1889年（明治22年）12月24日に大日本帝国憲法が公布され、内閣官制が定められました。この憲法下で、内閣は行政の中心として機能しました。

日本国憲法と内閣法 (1947年5月3日～現在)

1947年（昭和22年）5月3日に日本国憲法が施行され、内閣法が制定されました。これにより、内閣は新たな憲法の下で行政を担うこととなりました。中央省庁再編や復興庁の設置など、時代の変化に対応した組織改革も行われています。



これらの変遷を通じて、日本の官制は時代とともに変化し、より効率的で国民のニーズに応える組織へと進化してきました。

参考資料
内閣記録局『単行書・明治職官沿革表・職官部・一』、国立公文書館（ref.A07090183000）

関連項目
日本の官制

外部リンク
官制沿革表 - 国立国会図書館
日本法令索引〔明治前期編〕 - 国立国会図書館
* アジア歴史資料センター - 国立公文書館

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