法定得票

法定得票（ほうていとくひょう）について

法定得票とは、候補者が選挙で当選するために必要な投票数または得票率を指します。この制度は、選挙の透明性と公平性を確保するために設けられています。特に、候補者が多数立候補した際に、極端に低い得票率で当選する事例を防ぐために、最低限の得票基準が設けられています。

法定得票の背景

選挙制度には、多種多様な形式があり、首長選挙や小選挙区制では得票数の1位が当選とされることが一般的ですが、大選挙区制では定数に基づく人数が選出されます。これにより、候補者が特定の得票率に達しないと当選が認められない制度が導入されています。この基準が法定得票です。

日本では、公職選挙法により、法定得票に到達したが落選した候補者には、一定条件下で繰り上げ当選の機会が与えられる場合があります。これには、当選者の死亡や辞職が含まれます。

法定得票の規定

公職選挙法第95条では、法定得票の基準が明記されています。以下は、その主な内容です：

• - 衆議院小選挙区：有効得票総数を6で割った数
• - 参議院選挙区：有効得票総数を議員定数で割った数をさらに6で割る
• - 都道府県知事選挙：有効得票総数を4で割った数
• - 地方議会議員選挙：有効得票総数を議員定数で割った数をさらに4で割る
• - 市町村の長選挙：有効得票総数を4で割った数
• - 市町村議会の議員選挙：有効得票総数を議員定数で割った数をさらに4で割る

衆議院における法定得票の基準は中選挙区時代には地方議会選挙と同じでした。ここで言う「議員定数」とは、参議院選挙区における選挙で選出される議員の数や、地方議会議員数などを指します。補欠選挙の場合も、通常選挙の基準が適用されます。

法定得票に関する手続き

法定得票に達しなかった場合や不足時には、再選挙が行われます。この場合、選挙管理機関は新たな選挙日を設定し、選挙活動を実施します。再選挙の実施は、選挙の信頼性を高め、国民の意思を正確に反映するためにも重要です。

まとめ

法定得票は、日本の公職選挙において、候補者が当選するために必要な最低限の得票基準です。この制度は、選挙の公正性を担保し、投票率の低い候補者の無駄な当選を防ぐために不可欠なものとなっています。選挙制度を理解する上で、法定得票の知識は非常に重要です。

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