法政大学大原社会問題研究所

法政大学大原社会問題研究所

法政大学大原社会問題研究所（通称：大原社研）は、日本の社会科学領域における重要な研究機関であり、特に社会運動や労働問題に関する歴史的な資料が豊富に収蔵されています。この研究所は、法政大学に所属し、多様な研究活動を通じて社会科学の発展と知識の普及に寄与しています。

設立の背景と沿革

大原社研の設立は1919年に遡り、倉敷紡績などの実業家である大原孫三郎が自身の名前を冠する形で設立しました。当初は大阪市に位置し、社会問題および労働科学に関する研究を行っていました。その後、1922年には正式に財団法人として認可され、京都帝大や東京帝大の学者たちの協力のもと、初代所長には高野岩三郎が就任しました。

戦後、1949年には法政大学の附属機関となり、大原社研は大学とのより密接な連携を図りながら活動を続けることになります。その後の数十年にわたり、労働運動や社会問題に関する研究が進められ、様々な貴重な資料が収集されてきました。

資料と研究活動

大原社研は、特に日本における社会運動や労働運動の歴史的資料が充実しています。代表的な刊行物には、月刊の『大原社会問題研究所雑誌』や年刊の『日本労働年鑑』、また『社会・労働運動大年表』などがあります。さらに、大原社研には向坂逸郎の旧蔵書をはじめとする多くの貴重な文献や資料があります。

これらの資料は『大原デジタルライブラリー』としてデータベース化され、多くはウェブサイトを通じて一般に公開されています。また、労働運動に関する豊富な情報を提供するために、研究所では定期的に講演会やシンポジウムも開催されており、研究者や一般市民が参加できる機会を設けています。

近年の取り組み

2008年には他の関連機関と共同で「大原ネットワーク」を結成し、大原孫三郎に関する情報共有や共同活動への支援を行っています。また、2022年には大原社研が所蔵する「友愛会関西労働同盟会機関紙『労働者新聞』」などが「日本労働遺産」の一部として認定されるなど、社会における重要な資源としての役割が認められています。

所在地と利用情報

法政大学大原社会問題研究所は東京都町田市に位置し、一般に公開されている閲覧室を有しています。利用時間は平日が9:00～16:30、土曜日が9:00～11:30で、事前の予約が必要です。誰でも訪問できるため、社会科学や労働問題に興味がある人々にとって貴重な学びの場となっています。

大原社研は、研究者だけでなく一般市民にとっても貴重なリソースであり、幅広い社会問題や労働運動に関心を持つ人々に向けた情報発信を積極的に行っています。

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