法泉寺 (高松市)

法泉寺（ほうせんじ）

法泉寺は、香川県高松市に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は龍松山です。この寺院は釈迦如来を本尊としており、弘憲寺とともに讃岐生駒家の菩提寺の役割を果たしています。特に、生駒家の二代目一正と三代目正俊の墓所である生駒廟は、多くの信者に敬われています。さらに、境内に位置する釈迦像は、地域のシンボルとして市民に親しまれています。

歴史

法泉寺の歴史は1587年（天正15年）に始まります。この年、讃岐国の領主である生駒親正が大川紹偽を開山とし、宇多津に「海蔵寺」として設立しました。しかし、1598年（慶長3年）には、生駒家の三代目正俊の命により、寺院が現在の高松城下三番丁へと移転され、寺号も法泉寺に改名されました。

1881年から1899年にかけては、当寺内に香川郡および山田郡を管轄する郡役所である「香川山田郡役所」が設置され、地域の重要な行政機関として機能しました。さらに、1911年（明治44年）には日露戦争で戦った香川県出身の将兵の忠魂碑として釈迦像が建立され、地域住民に「法泉寺のおしゃかさん」として親しまれる存在となりました。ちなみに、低い建物が多かった当時の高松市内では、どの道からでも釈迦像を見ることができました。

1917年（大正6年）には、寺の前面道路に路面電車（市内線）が開通し、「法泉寺前」という停留所も設けられました。しかしながら、この路面電車は高松空襲により運行が停止し、最終的に廃線となりました。

1945年（昭和20年）7月4日、アメリカ軍によって行われた高松空襲により、法泉寺は甚大な被害を受けました。この空襲では、生駒廟、梵鐘、釈迦像を除く全ての建物が破壊される結果となりました。驚くべきことに、釈迦像は無傷であったため、周囲が焼け野原となった中でその姿は市民の精神的支柱としての役割を果たしました。この際、空襲の影響で高松市中心部は大規模な土地区画整理が行われ、法泉寺も1949年には現在地へと移転し、堂宇を再建しました。この移転の際には、生駒一正および正俊の遺骨や副葬品が発見されています。

文化財

法泉寺には、県指定文化財としての梵鐘があります。この梵鐘は文禄の役で生駒家によって使用され、その後当寺に寄進されたものです。銘文によると、元徳2年（1330年）に備前国の金岡庄にある窪八幡宮の神主・藤井弘清が願主となって鋳造されたものとされています。

所在地

法泉寺の所在地は〒760-0017 香川県高松市番町一丁目3番19号です。地元の人々だけでなく、観光客にとってもアクセスしやすい場所です。

関連項目

• - 高松藩
• - 生駒氏
• - 弘憲寺

この寺院は長い歴史を有し、地域の文化と精神に深く根ざしています。自然に囲まれた環境の中に位置し、訪れる人々に静寂と安らぎを提供する法泉寺は、高松市の重要な文化財を保持し続けています。

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