波三型潜水艦

波三型潜水艦の概要

波三型潜水艦（はさんがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍で活躍した潜水艦の艦級であり、別名C2型とも呼ばれています。この艦級は、合計で3隻が建造され、いずれも日本の呉海軍工廠で建造されました。艦の設計には、イギリスのヴィッカース社から輸入された部品が用いられています。

艦の建造と改良点

元々、日本はヴィッカース社から5隻を購入したものの、そのうちの2隻は完成品を直接輸入し、残りの3隻は日本国内の工場で建造されました。この波三型は前身であるC1型に比べ、艦首部分の上構を延長し、潜舵を水面上に設置して凌波性を高めるなど、いくつかの重要な改良がなされました。また、艦橋も大型化され、艦の運用効率が向上しました。

3隻は1911年（明治44年）に竣工し、その当初は潜水艇のカテゴリーに分類されましたが、数回の改分類が行われました。1916年には二等潜水艇、1919年には三等潜水艦として再び定義されました。最終的には1929年（昭和4年）にすべての艦が除籍されることになります。

同型艦の詳細

波三型には以下の3隻があります。
1. 波号第三潜水艦（波3）
- 竣工日：1911年8月21日（呉）
- 竣工時の艦名：第十潜水艇
- 1919年に第十潜水艦と改称し、その後波号第三潜水艦に変更。
- 1929年12月1日、除籍。

2. 波号第四潜水艦（波4）
- 竣工日：1911年8月26日（呉）
- 竣工時の艦名：第十一潜水艇
- 1919年に第十一潜水艦と改称し、波号第四潜水艦となる。
- 1929年12月1日、除籍。

3. 波号第五潜水艦（波5）
- 竣工日：1911年8月31日（呉）
- 竣工時の艦名：第十二潜水艇
- 1919年に第十二潜水艦と改称し、波号第五潜水艦へ。
- 1929年12月1日、除籍。

潜水隊の歴史

波三型潜水艦は、当初はC1型の艦艇で構成される第2潜水艇隊に編成されました。その後、1915年には第十潜水艇から第十二潜水艇に再編成され、呉鎮守府に所属しました。波3、波4、波5は隣接する潜水隊で旗艦として位置付けられ、その活動は呉鎮守府において行われました。

この艦隊は1916年に第三艦隊に編入され、その後も何度か任務が変更されながらも頑張りましたが、2919年にはすべての艦が除籍され、部隊は解散されることになりました。このように、波三型潜水艦は短い歴史の中で、多くの運用に取り組みましたが、戦果や戦歴を持たないまま幕を下ろすことになったのです。

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』（光人社、1990年）
• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年。

波三型潜水艦は、当時の海軍において今後の設計へもつながる多くの教訓を残した艦級と言えるでしょう。

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