波離間投げ

波離間投げ（はりまなげ）

波離間投げ、または播磨投げとは、相撲の決まり手の一つです。この技は、相手が両差しで低く攻めてきた際に、頭越しに上手から褌を両手で掴み、自分の後方へ、うっちゃるように投げ捨てるというものです。

技の解説

波離間投げは、決めるにはかなりの身長差と力が必要とされ、通常は土俵際での捨て身の技として見られます。しかし、まれに土俵中央で決まることもあります。技の名前には「投げ」とありますが、その性質上、実際には捻り技に分類されます。

この技の豪快さから、記録されると大きな話題を呼ぶことが多く、特に印象的な例として、1977年9月場所初日に、関脇・鷲羽山に土俵際まで押し込まれた大関・若三杉（後の二代目若乃花）が、上体を土俵外に反らし、さらに左足を取られた状態という絶望的な体勢から、左手一本で決めた波離間投げは、今でも語り継がれる伝説的な一番です。

近年の波離間投げ

平成以降では、長身と怪力を誇った元大関・把瑠都がこの技を得意とし、2006年5月場所、2010年11月場所、2012年7月場所で計3度、波離間投げを記録しました。また、元幕内力士の太刀光（後にプロレスに転身）は、十両在位中に4度もこの技を決めています。

直近の記録としては、2023年3月場所中日に、北青鵬が琴恵光に対してこの技を決めました。他にも、2014年9月場所で常幸龍が遠藤に、2017年9月場所で栃ノ心が石浦に、2018年3月場所で栃煌山が竜電に、2021年7月場所で一山本が石浦に、それぞれ波離間投げを決めています。

十両では、2016年9月場所で安美錦が里山に、2024年1月場所では勇磨が北磻磨に対して、この技を繰り出しています。このように、波離間投げは時折見られるものの、その難易度から珍しい決まり手の一つと言えるでしょう。

関連事項

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