泣くなペンギン

『泣くなペンギン』(原題:8 Ball Bunny)は、1950年にワーナーブラザースが製作したルーニー・テューンズの短編アニメーション作品です。日本では『南極コーリゴーリの巻』というタイトルでも知られています。

本作は、ブルックリンのアイススケートショーを終えたペンギンが、帰りの車を乗り過ごしてしまうことから始まる騒動を描いています。偶然にもバッグスの巣穴に迷い込んだペンギンは、親切なバッグスに南極への旅を託されることになります。

二人は様々な困難に遭遇します。列車内ではペンギンを奪おうとする怪しい男をバッグスが巧みにかわし、ニューオーリンズでは海軍の船に間違って乗船したペンギンを、バッグスが泳いで追いかけ救出するなど、息つく間もない展開が続きます。

旅の途中で、有名な俳優ハンフリー・ボガートと出会う場面も印象的です。ボガートはバッグスに助けを求めますが、バッグスは冷たくあしらいます。この出会いは、物語全体にユーモラスなスパイスを加えています。

パナマ運河では料金を払わずに通過しようとしたり、原住民に捕まりそうになったりと、次々と予想外の出来事が起こります。しかし、バッグスとペンギンの絶妙な連携プレーと、運の良さによって、彼らは難局を乗り越えていきます。

幾多の困難を乗り越え、ついに南極に到着したバッグスとペンギン。安堵したバッグスはペンギンを置いて帰ろうとしますが、ここでペンギンの驚くべき行動が物語を新たな方向へ転換させます。

ペンギンは、ニュージャージー州のアイススケートショーのチラシを取り出し、バッグスにニュージャージーへの同行を懇願するのです。予想外の依頼に困惑するバッグス。再び現れたハンフリー・ボガートにペンギンを託し、バッグスは奇声を上げながら走り去ります。

この作品の魅力は、予測不能なストーリー展開と、バッグス・バニーとペンギンの絶妙な掛け合い、そしてハンフリー・ボガートのコミカルな登場にあります。テンポの良いストーリー、個性的なキャラクター、そしてユーモラスな演出が調和して、観る者を飽きさせない作品に仕上がっています。

『泣くなペンギン』は、ルーニー・テューンズの中でも特に人気の高い短編アニメーションのひとつであり、その軽妙なユーモアと、予測不能な展開は、現代においても多くの視聴者を魅了し続けています。VHSやDVD、そしてデジタル配信など、様々な媒体で視聴できるため、ぜひ一度ご覧になって、バッグスとペンギンの珍道中をお楽しみください。

この作品は、アメリカンコメディーの伝統と、アニメーション技術の粋を集めた、まさに傑作と言えるでしょう。何度も見返したくなる、そんな魅力に溢れた作品です。

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