泥湯温泉

泥湯温泉

泥湯温泉は、秋田県湯沢市、秋田と宮城の県境に近い神室山地の麓に湧く、歴史ある温泉地です。明治時代創業の小椋旅館と奥山旅館の2軒の旅館が、山間の静かな谷間に佇んでいます。かつては豊明館、中山荘という宿も存在しましたが、現在は廃業しています。近くには、日本三大霊地のひとつである川原毛地獄があります。

泉質と注意点

「泥湯」という名前から、お湯が茶褐色に濁っているイメージを持たれがちですが、温泉地周辺には複数の源泉が自噴しており、泉質は単純硫黄泉、単純温泉、硫化塩泉など多岐にわたります。しかし、火山ガス（硫化水素）が噴出する場所があるため、注意が必要です。

2005年には硫化水素中毒による死亡事故が発生したため、温泉地内には立ち入り禁止区域が設けられました。温泉地の外れには、道の傍らから硫化水素ガスが噴出する場所もあり、立ち止まりはもちろん、自動車の停車も禁止されています。

歴史

開湯は約1200年前（平安時代初期）と伝えられています。泉色が泥水のように濁っていたことから、「泥湯」と名付けられました。江戸時代には安楽泉とも呼ばれる湯治場として栄え、1680年には湯宿が開設されました。

2005年の事故後、湯沢市は事故調査検討委員会の調査結果を踏まえ、安全対策を実施。翌2006年には安全宣言が出されました。2016年には奥山旅館で火災が発生し、本館などが全焼しましたが、幸い宿泊客は無事でした。その後、日帰り営業を再開し、2019年には旅館を再建し、リオープンを果たしました。

アクセス

JR奥羽本線 湯沢駅より南東へ約30km
湯沢駅より予約制「こまちシャトル」利用で約45分
湯沢駅より羽後交通バス横堀線と乗合タクシー（須川 - 泥湯）を乗り継いで約70分

周辺情報

川原毛地獄
川原毛大湯滝
上の岱地熱発電所
小安峡
小安峡温泉
* 秋ノ宮温泉郷

その他

漫画家のつげ義春も1974年に泥湯温泉を訪れており、当時の写真が『つげ義春の温泉』に掲載されています。

泥湯温泉は、豊かな自然と多様な泉質、そして歴史が息づく魅力的な温泉地です。訪れる際には、安全に注意して、その恵みを満喫してください。

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