泰昌

泰昌（たいしょう）は、中国の明王朝において、第15代皇帝である光宗が使用した元号です。光宗は泰昌帝とも呼ばれます。通常、中国の皇帝が交代した際には、元号は翌年の元旦に改められる「踰年改元」という慣習がありました。しかし、光宗の即位と急逝という異例の出来事が、この慣習に例外を生じさせることとなりました。

万暦48年7月20日（1620年8月18日）、神宗皇帝が崩御し、その息子である光宗が同年8月1日（1620年8月28日）に即位しました。この時点では、翌年である1621年から新しい元号が使われる予定であり、光宗も即位の際に翌年を泰昌元年とすることを発表していました。しかし、光宗は即位からわずか1ヶ月後の9月1日（1620年9月26日）に急逝してしまいます。その後、9月6日（1620年10月1日）に熹宗が即位したため、通常の慣習に従えば、1621年の年号を新たに制定する必要が生じ、光宗の治世を示す元号が存在しないという事態に陥りそうでした。

この状況を鑑み、群臣たちは協議を重ねた結果、万暦48年8月1日（1620年8月28日）に遡って元号を「泰昌」に改めるという異例の措置を取りました。これにより、光宗の在位期間は短いながらも、「泰昌」という元号によって歴史に刻まれることとなりました。泰昌という元号は、光宗の短い治世を象徴する特別な年号と言えるでしょう。

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