洗堰緑地

洗堰緑地

洗堰緑地（あらいぜきりょくち）は、愛知県名古屋市の西区と北区にまたがる都市公園であり、庄内川水系新川の河川敷に位置しています。この公園は、新川洗堰の北側放流路と庄内川右岸堤防の高水敷を活用して造られました。

概要

1971年（昭和46年）に供用が開始された洗堰緑地は、かつて農地が広がっていた場所に、野球場やテニスコート、広場などが整備され、約20ヘクタールの広さを持つ公園へと生まれ変わりました。また、洗堰の左岸堤防には、1955年（昭和30年）の西春日井郡山田村の名古屋市編入を記念して桜が植樹され、「蛇池千本桜」として親しまれる桜の名所となっていました。

2000年（平成12年）の東海豪雨を契機に、洗堰緑地は洪水調整機能を強化するための改修工事が行われました。放流路西側の農地を掘り下げて遊水池としての機能が加えられ、2006～2007年度には、野球場などのスポーツ施設の再整備やビオトープの設置が行われました。遊水池を利用した公園であるため、豪雨時には立ち入りや利用が制限される場合があります。

施設

洗堰緑地には、以下の施設があります。

野球場 - 3面
テニスコート - 2面
サイクリングコース
多目的グラウンド
ビオトープ
蛇池（蛇池神社）
新川洗堰

新川洗堰

新川洗堰（しんかわあらいぜき）は、天明4年（1784年）から天明7年（1787年）にかけて新川を開削した際に、庄内川からの越流堤として建設されました。当時は幅が約72メートルあり、庄内川の洪水時に一部の水を新川に流すことで、庄内川の破堤を防ぎ、名古屋城下への被害を軽減する役割を担っていました。堤防の高さを半分にまで切り下げたことから、「五合目洗堰」とも呼ばれていました。

明治時代の改修を経て長らく利用されていましたが、東海豪雨では洗堰からの越流により新川で破堤が発生し、流域に甚大な浸水被害をもたらしました。その後、2001年（平成13年）から行われた対策工事により、洗堰は約1メートル嵩上げされ、最大流入量が大幅に減少しました。将来的に新川と庄内川の河川整備が進めば、洗堰は締め切られる予定です。

アクセス

公共交通機関

JR東海交通事業城北線 比良駅下車
名古屋市営バス：名駅12・栄11・小田11・山田巡回「蛇池神社前」バス停下車

自家用車

国道41号（空港線）新川中橋北交差点から愛知県道162号松河戸西枇杷島線を西進
駐車場は野球場などの利用者と共用。テニス場のみ専用駐車場が若干台

脚注

参考文献

山田地区名古屋市合併30周年記念事業実行委員会 編『山田地区30年のあゆみ』山田地区名古屋市合併30周年記念事業実行委員会、1985年。
名古屋市教育委員会 編『名古屋の史跡と文化財（新訂版）』（第三版）名古屋市教育委員会、1998年。全国書誌番号:20062355。
山田地区名古屋市合併50周年記念事業実行委員会 編『山田地区の五十年』山田地区名古屋市合併50周年記念事業実行委員会、2005年。
西区制100周年記念事業実行委員会 編『西区100年のあゆみ』西区制100周年記念事業実行委員会、2005年。全国書誌番号:21458180。
名古屋市緑政土木局緑地部緑地管理課『2010年 名古屋市みどりの年報』、2010年11月29日

関連項目

* 庄内緑地 - 庄内川の小田井遊水池を公園化している

もう一度検索