津守滋

津守滋について

津守滋（つもり しげる）は、1939年6月5日に大阪府泉大津市で生まれ、2021年9月29日に82歳で亡くなった日本の外交官です。弁護士を目指し大阪大学法学部を中退後、京都大学法学部を卒業。法務省入国管理局を経て、1965年に外務省に入省しました。

外交官としてのキャリア

外務省入省後、西ドイツのチュービンゲン大学に留学し、国際的な視野を養いました。その後、外務省経済局国際機関第二課長、後藤田正晴内閣官房長官秘書官、アジア局地域政策課長、駐ソ連大使館参事官、OECD代表部参事官、駐ミュンヘン総領事、駐独公使、欧亜局審議官、駐ベルリン総領事を歴任。1998年2月から2000年4月にはクウェート駐箚特命全権大使、2000年4月から2002年7月にはミャンマー駐箚特命全権大使を務めました。

ソ連大使館総括参事官在任中には、チェルノブイリ原子力発電所事故が発生し、在留邦人の保護に尽力しました。

教育者としての活動

1996年4月から1998年2月まで、母校である大阪大学大学院国際公共政策研究科教授として教鞭を執りました。退官後も、立命館アジア太平洋大学、東洋英和女学院大学、桐蔭横浜大学で客員教授として国際政治学を教え、後進の育成に努めました。

受章と晩年

2018年春には瑞宝中綬章を受章し、長年の功績が称えられました。2021年9月29日に逝去。叙正四位。

同期入省者

津守滋と同期で外務省に入省した人物には、加藤良三（駐米大使）、折田正樹（駐英大使）、茂田宏（テロ対策担当大使）、田中克之（駐メキシコ大使）、木谷隆（駐ペルー大使）、小西正樹（駐マレーシア大使）、佐藤裕美（駐コートジボワール大使）、佐々木高久（駐ナイジェリア大使）、朝海和夫（欧州連合大使）、河村武和（欧州連合大使）、内田富夫（駐スウェーデン大使）、松井啓（駐ナイジェリア大使）、竹中繁雄（査察担当大使）などがいます。彼らもまた、日本の外交の舞台で重要な役割を果たしました。

著作

津守滋は、著書を通じて国際情勢に関する考察を発信しました。主な著書には以下のものがあります。

『バルカンを行く　民族問題を考える』（1995年）
『後藤田正晴の遺訓　国と国民を思い続けた官房長官』（2007年）
* 『ミャンマーの黎明　国際関係と内発的変革の現代史』（2014年）

また、編著として『地球が舞台―国際NGO最前線からの活動報告』（2002年）があり、翻訳書には『ロケット開発収容所　ドイツ人科学者のソ連抑留記録』（1996年）、『ジハード戦士真実の顔　パキスタン発＝国際テロネットワークの内側』（2008年）、『モスクワ攻防戦　20世紀を決した史上最大の戦闘』（2010年）があります。

津守滋は、外交官として国際社会の第一線で活躍し、教育者として後進を育成し、著述家として国際情勢の理解に貢献した人物でした。その功績は、今後も長く語り継がれるでしょう。

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