津屋崎祇園山笠

津屋崎祇園山笠：人形が彩る勇壮な夏祭り

福岡県福津市津屋崎町で、毎年7月に行われる津屋崎祇園山笠は、300年以上の歴史を持つ伝統的なお祭りです。この祭りは、波折神社に奉納される祇園祭の山笠行事であり、地域の人々にとって夏の訪れを告げる風物詩となっています。

起源と歴史

津屋崎祇園山笠の起源は、1712年（正徳2年）に遡ります。当時、疫病が流行したため、その退散を願って博多から祇園社を迎え、岡流、北流、新町流の3つの流れがそれぞれ山笠を奉納したのが始まりとされています。第二次世界大戦中には一時中断されましたが、戦後に復活。しかし、1963年（昭和38年）から13年間の中断期間を経て、1975年（昭和50年）に津屋崎山笠保存会が発足し、山笠の復活に向けて尽力しました。その結果、1979年（昭和54年）には、3つの流れすべてが復活を果たし、現在に至っています。

当初は旧暦の6月19日に追い山行事が行われていましたが、現在は新暦の7月19日に最も近い日曜日に行われています。

山笠の形態

津屋崎祇園山笠は、前後に6本ずつの担ぎ棒を持つ舁き山笠です。水法被に締め込み姿の男たちが山笠を担ぎ上げ、町中を駆け抜ける姿は勇壮そのもの。その運行形態は、博多祇園山笠に似ています。

しかし、山笠の飾りは博多の舁き山笠とは大きく異なり、複数の人形を飾り、屋形や岩、波などの部品を使って風景を表現するという独特の様式を持っています。これは、博多の飾り山笠を縦に縮めたようなイメージで、飾られる人形は地元で作られる津屋崎人形が用いられています。この独特の様式を持つ山笠は、「津屋崎系」と分類され、他の地域の山笠にも影響を与えています。

津屋崎人形

津屋崎人形は、津屋崎祇園山笠を飾るために作られる郷土人形です。その歴史は古く、江戸時代から作られていたとされています。素朴で温かみのある表情が特徴で、山笠の場面を生き生きと表現しています。山笠の時期以外でも、津屋崎の街では津屋崎人形を見ることができ、お土産としても人気があります。

祭りの見どころ

津屋崎祇園山笠の見どころは、何と言ってもその勇壮な山笠の運行です。男たちが力を合わせて山笠を担ぎ、町中を駆け抜ける姿は圧巻です。また、山笠を飾る津屋崎人形の精巧さも見逃せません。一つ一つの人形の表情や、風景を表現した装飾など、見どころ満載です。祭りの期間中は、津屋崎の街全体がお祭りムードに包まれ、多くの人々で賑わいます。

津屋崎祇園山笠は、地域の歴史と文化を伝える貴重な財産です。この祭りを未来へと繋げていくため、地域の人々は preservation 活動に積極的に取り組んでいます。

津屋崎祇園山笠は、一度見たら忘れられない、迫力と美しさを兼ね備えたお祭りです。ぜひ一度、津屋崎の街を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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