津屋川

津屋川 (つやがわ) の概要

津屋川は岐阜県を流れる一級河川であり、木曽川水系に属しています。主に養老町と海津市を流れる津屋川は、揖斐川を経由し伊勢湾へ至る木曽川の重要な二次支川となっています。ここでは、津屋川の地理、歴史、そしてその特異な生態系について詳しく見ていきます。

地理

津屋川の始まりは岐阜県養老郡養老町の養老山付近にある水源からです。特に注目されるスポットが滝谷で、ここには「養老孝子伝説」で有名な養老の滝があります。滝谷は扇状地に位置し、涸れ谷として知られています。その扇状地の端部に位置する湧水帯から流れ出る水が津屋川へとつながるのです。

津屋川は養老山地の複合扇状地の扇端に沿って南に流れ、複数の流れと合流します。その中には、小倉谷から流れ出る一筋の水も含まれます。この流れは完全な天井川であり、津屋川と養老鉄道養老線が立体交差した後に津屋川へ吸収されるという特異な流れをしています。

また、海津市南濃町には「清水池」と呼ばれる水たまりがあります。ここには養老山地からの湧水が集まり、細い水路を通じて津屋川と接続しています。清水池は、2012年9月19日に「津屋川水系清水池ハリヨ生息地」として国の天然記念物に認定されました。この地域は、貴重な生物多様性を有していることでも知られています。

津屋川はまた、海津市南濃町駒野付近で五三川と合流します。その後、揖斐川と背割堤で並行しながら流れ、南濃町山崎で揖斐川と合流します。津屋川の河川区間は、養老町飯ノ木から下流に向けて約14キロメートルにわたります。さらに、揖斐川との合流点近くには津屋川水門が設置されており、近くの岐阜県道8号津島南濃線には福岡大橋が架かっています。

海津市南濃町津屋付近の堤防では、約3キロメートルにわたってヒガンバナの群生地を見ることができます。この美しい光景も、訪れる人々を魅了しています。

歴史

津屋川の歴史は古く、中世には津屋川と牧田川が同一の河川として流れていましたが、時間と共にその流れが変わり、別個の川となりました。中世の末から近世にかけて、津屋川は水運が盛んな時期を迎え、養老の勢至鉄座は津屋川を利用して栄えていたと考えられています。

また、津屋川は歴史的な伝説にも登場します。平治の乱で敗れた源義朝がこの川を下ったとされ、その伝説に基づき、飯ノ木付近にかかる橋は「源氏橋」と名づけられました。しかし、時が経つにつれて土砂の堆積が進み、舟の通行に支障をきたすようになりました。そこで、明治時代には木曽三川分流工事が行われ、揖斐川との合流点を下流域に移す試みが行われました。この工事により、高須輪中が開削され、揖斐川の河道が拡張され、背割堤が築かれました。

主な支流と橋

津屋川にはいくつかの支流が存在し、特に五三川が主な支流に挙げられます。また、津屋川を越える主な橋としては、津屋川橋（愛知県道・岐阜県道8号津島南濃線）や駒野橋（国道258号）があげられます。

まとめ

このように、津屋川は美しい自然環境と深い歴史を持った特別な川です。地域に根ざした文化と自然が調和し、訪れる人々に素晴らしい体験を提供しています。津屋川を訪れることで、その歴史的価値や自然の美しさを実感し、地域の魅力を再発見することができるでしょう。

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