津山国際交流車いす駅伝競走大会

津山国際交流車いす駅伝競走大会

津山国際交流車いす駅伝競走大会は、岡山県津山市を舞台に例年11月に開催されていた、専用の競技用車いすを用いて競われる陸上競技、特に駅伝形式の大会でした。その愛称は「津山リンリン駅伝」。単なる国内大会に留まらず、ベルギー、中国、韓国、タイなど、アジアやヨーロッパをはじめとする世界各国から選手やチームが集まり、文字通り国際色豊かな競技会として知られました。

大会の概要と特徴

本大会は、一般的なランニングによる駅伝とは異なり、下半身に障がいのある選手が競技用車いすを漕いで行う独特のレース形式を採用していました。これは車いす陸上競技の一環として位置づけられます。

コースは津山市街地を周回する設定で、全長31.5kmを5つの区間に分けて争われました。スタート地点は津山市沼の高専橋北、そしてフィニッシュ地点は津山市役所前でした。市街地コースであるため、沿道には多くの観衆が集まり、選手たちを応援する光景が見られました。

また、本大会は地域社会との連携によって運営されていた点も大きな特徴です。実行委員会は津山市や山陽新聞社などが中心となって構成され、大会運営には毎年、延べ3,000人を超える多くの市民ボランティアの献身的な協力によって支えられていました。彼らの協力なしには、これほどの規模の国際大会を継続的に開催することは困難だったと言えるでしょう。

歴史と廃止の経緯

津山国際交流車いす駅伝競走大会は、1988年に第1回大会が開催されて以来、毎年秋の津山の風物詩として親しまれました。その後、2005年まで合計17回の開催実績を持ちます。ただし、この期間中、一度（第11回大会）は中止となっています。

しかし、大会の継続には長年にわたり様々な議論が伴いました。特に津山市議会では、本大会の位置づけを「スポーツ振興」と捉えるか「福祉事業」と捉えるか、あるいはその両面を持つかという議論が長年にわたり続けられました。大会の意義や財政負担、運営体制など、多岐にわたる視点からの議論が10年以上に及び、「存続か廃止か」という難しい判断が求められました。

その結果、2006年6月の津山市議会において、本大会の事業廃止が正式に決定されました。これにより、1988年から続いた津山での国際車いす駅伝の歴史は幕を閉じました。

歴代の優勝チームに関する詳細な記録も存在しますが、大会廃止に伴い、現在はその姿を見ることはできません。

関連事項

日本国内では、本大会以外にも車いす駅伝競走大会が開催されており、「全国車いす駅伝競走大会」などが知られています。これらは、車いす陸上競技の普及や選手の育成、障がい者スポーツへの理解促進に貢献しています。

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