津川イネ

津川イネの生涯

津川イネは、1875年（明治8年）4月3日に徳島県麻植郡木屋平村（現在の美馬市）で、農林業を営む津川国三郎とマスの長女として誕生しました。彼女は、9歳の時に村に設立された小学校に唯一の生徒として入学したという珍しい経験を持っています。

長らく独身でしたが、39歳という当時としては非常に晩婚で、15歳年下の男性と結婚しました。夫は婿養子として津川家に入っています。75歳頃までは、木綿の入手が困難だったため、現在では徳島県那賀郡那賀町木頭でしか織られていない太布を織っていたそうです。100歳頃まで、自宅から300mほど山にある畑で農作業をしていたという驚くべき体力を持っていました。

111歳の時には、報道陣から長寿の秘訣を尋ねられ、「みんなが大事にしてくれるから長生きできた。元気なのはよく働き、食べ物の好き嫌いがないから。」と答えています。この言葉は、彼女の長寿を支えた生活習慣と、周囲の人々への感謝の気持ちを物語っています。

津川イネの存命中は、泉重千代が長寿日本一として認定されていました。しかし、1986年2月21日に泉が死去したことで、津川イネが長寿日本一になったとされていました。その後、泉の長寿記録は2012年に取り消され、実際には大熊モムが1984年2月10日に110歳と29日で亡くなった時点で、当時108歳の津川イネが長寿日本一となっていたことが判明しました。彼女は、1986年5月21日に111歳と48日でその生涯を閉じました。

津川イネの長寿は、その生活習慣だけでなく、周囲の人々との温かい関係性によっても支えられていたと言えるでしょう。彼女の生き方は、私たちに健康と長寿について多くのことを教えてくれます。

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