津村重光

津村重光

津村重光（つむら しげみつ、1947年（昭和22年）11月16日 - ）は、日本の政治家。宮崎県宮崎市の出身で、1994年から2010年まで4期16年にわたり宮崎市長を務めました。

生い立ちと政治家への道

宮崎大学学芸学部附属中学校、ラ・サール高等学校を経て、京都大学法学部を卒業しました。大学卒業後、1971年に旭化成株式会社に入社します。その後、政治を志し、1975年に民社党公認候補として宮崎県議会議員選挙に立候補し、初当選を果たしました。

県議会議員として活動する傍ら、1990年には県議会議員を辞職して宮崎市長選挙に初挑戦しましたが、この時は落選しました。しかし、1994年2月に行われた宮崎市長選挙で再び立候補し、当選。第22代宮崎市長に就任しました。

宮崎市長としての歩み

津村市政は、周辺市町村との合併を推進し、人口50万規模の「大宮崎市構想」を掲げたことが大きな特徴です。具体的には、1998年に宮崎市を中核市へ移行させ、行政機能の強化を図りました。また、2006年には田野町、高岡町、佐土原町を宮崎市に編入合併させ、市の規模を拡大しました。さらに、清武町との合併についても調印まで進めました。これらの合併事業は、「大宮崎市」の実現に向けた重要なステップとなりました。

2006年1月29日に行われた市長選挙では、同年1月1日に宮崎市に編入された旧佐土原町の町長だった戸敷正氏ら新人候補2人を退け、4選を果たしました。

しかし、長期にわたる市政運営の中では、議論を呼んだ政策も少なくありません。

イオンモール出店問題: 3期目の2001年から2002年にかけて、大型商業施設であるイオンモール宮崎の出店計画を巡っては、中心市街地の活性化や交通渋滞への影響など、賛否両論が巻き起こりました。
橘通り再整備構想: 4期目の2009年には、宮崎市のメインストリートである橘通り（国道220号）の車線を3車線から2車線に減らし、残りの1車線部分を緑地帯や歩行者空間として公園化するという大胆な構想を発表しましたが、市民や関係者からの様々な意見があり、事実上断念に至りました。
地域コミュニティ税導入: 同じく2009年には、特定の地域活動に充てるための地域コミュニティ税を導入しましたが、これも新たな税負担を巡って議論を呼びました。

これらの政策は、市の将来像や市民生活に大きな影響を与える可能性があったため、活発な議論が展開されました。

政界引退とその後

津村氏は、2010年の宮崎市長選挙には立候補せず、16年間の市長としての職責を終え、政界から引退しました。この年の市長選挙では、津村市政下で導入された地域コミュニティ税の廃止を公約に掲げた戸敷正氏が当選しています。

政界引退後も、郷土の発展に貢献した功績が認められています。

2023年には、これまでの功績に対し、旭日中綬章を受章しました。
2024年には、宮崎市への多大な貢献が評価され、宮崎市名誉市民に選ばれました。

著書

市長としての経験や自身の半生について著書を出版しています。

『津村重光の本 ある団塊世代半世紀の軌跡』（鉱脈社、2002年）
* 『我 事において後悔せず』(宮日文化情報センター、2015年)

もう一度検索