津沢寿志

津沢寿志

津沢寿志（つざわ ひさし、1948年6月8日 - ）は、日本の柔道家。得意技は大内刈。中央大学柔道部監督、全日本柔道連盟事務局長を歴任し、現在は介護サービス事業を経営する。

生い立ちと柔道との出会い

1948年、富山県に生まれる。警察官であり柔道家でもあった父の影響を受け、幼少の頃から体を動かすことを好み、特に走ることと相撲が得意だった。南郷中学校入学と同時に柔道を始めるが、柔道部顧問が専門家ではなかったため、上級生が下級生に教えるという環境だった。中学3年時に個人戦で県2位に入賞している。

砺波高校、中央大学時代

1964年、県立砺波高校に入学。社会科教諭であり中央大学柔道部出身の向健三の指導のもと、厳しい鍛錬に励んだ。以前より得意としていた大内刈にさらに磨きをかけ、勝利の8割を大内刈によるものとした。高校2年の終わりには急性腎炎で入院するも、インターハイ県予選を勝ち抜き、本戦では個人戦準優勝、団体戦3位と好成績を残す。

大学進学の際、父は日本大学、顧問の向は中央大学を勧めたが、津沢は中央大学を選んだ。“業師を育てる”中央大学の練習は、津沢に最適だった。豊富な練習量に加え、大学在学中から岡野功が主催する正気塾で寝泊まりし、岡野に鍛えられたことも大きかった。その結果、大学在学中には全日本学生選手権の軽量級を3連覇を達成した。

世界一、そしてその後の人生

大学卒業後は岡野功が運営する「正気塾」に所属。1971年の全日本選抜体重別選手権で優勝し、同年9月の世界選手権では軽中量級で優勝を成し遂げた。準決勝戦で決めた体落は、大学時代から研究を重ねてきた集大成とも言える技だった。

その後、博報堂に就職するが、1975年の全日本選抜体重別選手権で敗れ、モントリオール五輪の代表を逃すと、柔道への情熱を失ったという。渡米して1年間アメリカで過ごした後、柔道整復師を目指して専門学校に入学。1979年に地元富山県高岡市で接骨院を開業した。

1992年4月には母校・中央大学の監督に就任。「闘志を前面に出して攻めろ、逃げるな」という指導方針のもと、2000年には全日本学生優勝大会で中央大学を24年ぶり3回目の優勝に導いた。2003年3月、中央大学監督を退任し、全日本柔道連盟事務局長に就任。以後、東京や高岡市で複数の接骨院を経営する傍ら、介護サービス業に転向し、富山県を中心に介護サービス業を営んでいる。柔道では、フォーリーフジャパンや東京大学柔道部で師範を務め、後進の指導にあたっている。2012年のロンドン五輪では、教え子の松本薫が女子57kg級で金メダルを獲得した。また、松本薫は2016年のリオデジャネイロ五輪でも銅メダルを獲得している。

主な戦績

1966年 - インターハイ 中量級 2位
1968年-1970年 - 全日本学生柔道選手権大会 3連覇
1971年 - 体重別 軽量級 優勝
1971年 - 世界柔道選手権大会 軽中量級 優勝
* 1972年、1974年 - 体重別 軽中量級 3位

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