津液

津液（しんえき）とは

津液とは、東洋医学において、体内の正常な水分の総称です。人体を構成し、生命活動を維持するために欠かせない要素とされています。

津液は、津（しん） と 液（えき） の2種類に分けられます。

津（しん）: 陽性の性質を持ち、サラサラとしていて粘り気が少ない水分です。主に体表を潤し、体温調節に関与し、汗や尿として体外へ排泄されます。
液（えき）: 陰性の性質を持ち、粘り気があり、体の中をゆっくりと流れる水分です。骨や髄を潤し、目、鼻、口などの粘膜や皮膚に潤いを与えます。

これらの津と液は、それぞれ異なる役割を担いながら、互いに協力して体内の水分バランスを維持しています。

また、津液は陰津、水液、水津、水湿と呼ばれることもあります。

津液の源泉

津液の源は、飲食物です。口から摂取された飲食物は、胃や腸で消化吸収され、そこから水様のものが分離されて津液が作られます。したがって、バランスの取れた食生活は、津液を十分に生成し、健康を維持するために非常に重要です。

臓腑との関係

津液は、特定の臓腑と密接な関係があります。特に重要なのは、脾胃（ひい）、肺（はい）、腎（じん）、膀胱（ぼうこう）です。

1. 脾胃（中焦）: 飲食物から津液を分離・生成する役割を担います。脾の働きによって、生成された津液は上部の肺へと送られます。
2. 肺（上焦）: 脾胃から送られた津液を全身に distribuire（ゆきわた）らせる役割を担います。肺の機能が正常であれば、津液は体の隅々まで行き渡り、各組織を潤します。
3. 腎（下焦）: 全身に distribuit（ゆきわた）った津液を管理し、必要な水分を保持し、不要な水分を膀胱へ送る役割を担います。
4. 膀胱（下焦）: 腎から送られた不要な水分を尿として体外へ排泄する役割を担います。

これらの臓腑が連携し、それぞれの役割を果たすことで、体内の水分バランスが正常に保たれます。もし、これらの臓腑の機能が低下すると、津液の生成、輸送、排泄がうまくいかなくなり、さまざまな不調が現れる可能性があります。

津液は、体内の水分代謝を司る重要な要素であり、健康を維持するために不可欠です。日々の生活習慣に気を配り、津液を十分に保つことが大切です。

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