津田雄一

津田雄一：宇宙探査のフロンティアを拓く科学者

津田雄一（つだ ゆういち）は、1975年6月26日生まれの日本の宇宙科学者です。専門分野は誘導航法制御、太陽系探査、宇宙機システムに関する研究であり、その卓越した知識と技術で宇宙開発の最前線で活躍しています。現在、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の教授、総合研究大学院大学物理科学研究科宇宙科学専攻の教授、そして東京大学大学院工学系研究科の教授という、複数の教育研究機関で教鞭を執っています。

輝かしい経歴

津田氏は広島県安芸高田市で生まれ、その後、神奈川県相模原市で育ちました。相模原市立相模台小学校、相模原市立相模台中学校を経て、1994年に桐朋高校を卒業。その後、東京大学理科一類に進学し、1998年に東京大学工学部航空宇宙工学科を卒業。2003年には東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了し、博士（工学）の学位を取得しました。

博士論文では、「情報管理と誘導則の関係を考慮した大規模衛星群フォーメーションフライトアーキテクチャに関する研究」をテーマに、宇宙工学の高度な分野に貢献しました。同年、[宇宙航空研究開発機構]宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系助教として研究活動を開始。2014年には同研究所の准教授に昇進し、2015年には小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャに就任。2020年からは現職の教授として、後進の育成にも力を注いでいます。

主な業績

津田氏の業績は多岐にわたりますが、特に注目すべきは以下の点です。

超小型衛星の開発: 東京大学時代から10センチメートル角の超小型衛星の開発に取り組み、宇宙開発の低コスト化、小型化に貢献。
ソーラーセイル展開実験: 観測ロケットや大気球を使ったソーラーセイル展開実験を実施し、宇宙空間での新たな推進技術の可能性を追求。
はやぶさ2プロジェクト: C型小惑星「りゅうぐう」を探査する「はやぶさ2」プロジェクトでは、開発当初からプロジェクトエンジニアとして携わり、搭載機器の調整や探査機全体のシステム構築を担当。後にプロジェクトマネージャに就任し、ミッションを成功に導きました。
宇宙ヨットIKAROSの研究: 宇宙ヨットIKAROSを用いた研究では、太陽光の圧力をデータ収集とモデリングによって解明し、太陽光推進技術の発展に貢献しました。

人物像

津田氏は、研究活動だけでなく、人物としても魅力的な一面を持ち合わせています。中学時代はバスケットボール、高校時代は軟式テニスに打ち込むなど、スポーツにも関心が深く、体力と精神力のバランスが取れている人物です。高校3年の時に一時失明するという困難に見舞われましたが、宇宙工学への情熱を失わず、猛勉強の末、東京大学に現役合格を果たしました。

趣味は日曜大工で、自宅のキッチン棚などを製作するほどの腕前です。また、JAXA相模原キャンパスのある相模原市で育ち、現在も相模原市に在住。既婚で3人の子供を持つ家庭人でもあります。2021年には、サンフレッチェ広島のサンフレッチェ夢・チャレンジ大使に就任し、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

津田雄一は、その卓越した知識、技術、そして情熱をもって、日本の宇宙開発を牽引するキーパーソンの一人です。彼の今後の活躍から目が離せません。

外部リンク

津田研究室

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