津田駒工業

津田駒工業株式会社は、日本の石川県金沢市に拠点を構える専門メーカーです。主に繊維機械、特に織機と、工作機械に用いられるアタッチメントの製造を手がけています。その歴史は古く、国内の織機市場で高い地位を確立しており、特に高速自動織機であるジェットルームの分野では、世界市場においてトップクラスのシェアを有しています。

沿革

企業の起源は1909年3月に遡ります。津田米次郎が日本で初めて津田式力織機を開発した流れを汲み、彼の従弟の子にあたる津田駒次郎が金沢に戻り、金沢市茨木町で個人経営による絹・人絹織機の製造を開始しました。これが津田駒工業の始まりです。当初は「津田駒次郎工業」という名称でした。

その後、事業領域を拡大し、1937年には工作機械用アタッチメントの分野に進出。インデックス（円テーブル）の開発に着手しました。1939年には組織を改めて津田駒工業株式会社となり、法人化を果たしました。

経営基盤の強化を図るため、1961年には東京証券取引所と大阪証券取引所の両市場第二部に上場。1962年には現在の社名である津田駒工業株式会社に変更しました。技術開発への投資も積極的に行われ、1964年には技術センターを建設しています。

1968年には東証・大証の市場第一部に指定替えとなり、企業としての信頼性と認知度を高めました。1970年代に入ると、高速自動織機開発に注力。1977年にはエアジェットルームとウォータジェットルームの生産を開始し、これが後の世界シェア獲得につながる重要な転換点となります。

ジェットルームの生産は順調に拡大し、1983年には月産400台体制を確立。1985年には新しい本社ビルが竣工しました。生産技術の向上により、1988年には累計生産台数5万台を達成、1990年には月産体制を1,000台に引き上げました。1993年には累計生産台数10万台を突破するなど、高速自動織機分野でのリーディングカンパニーとしての地位を不動のものとしていきます。

1999年には創業90周年を迎えました。時代の変化に対応し、2004年には大阪証券取引所への上場を廃止。しかし、技術開発は継続され、2006年にはジェットルームの累計生産台数が20万台に達しました。

2008年には株式会社豊田自動織機との業務提携を発表し、共同出資会社T-Tech Japanを設立するなど、他社との連携を通じた事業拡大も進めています。同年には複合素材の加工設備機械の販売を開始するなど、新たな分野への挑戦も行っています。

事業概要

主要事業は繊維機械と工作機械用アタッチメントの二本柱です。繊維機械事業では、特に織機、中でも高速自動織機であるジェットルーム（エアジェットルーム、ウォータジェットルーム）が主力製品であり、国内外の繊維産業に不可欠な存在となっています。国内市場で高いシェアを持つだけでなく、ジェットルーム分野では世界市場でもトップシェアを占めるなど、グローバルな競争力を有しています。

工作機械用アタッチメント事業では、主にインデックス（割出し盤）などを製造しています。これらは自動車や航空機産業など、精密な加工が求められる分野で使用される工作機械の性能向上に貢献しています。

事業所

国内には、本社・金沢工場（石川県金沢市）、松任工場（石川県白山市）、野々市工場（石川県野々市市）の主要な生産・開発拠点を有しています。

関連会社

国内には、共和電気工業株式会社、ツダコマ・ゼネラル・サービス株式会社、株式会社T-Tech Japan、ツダコマテクノサポート株式会社、ふぁみーゆツダコマ株式会社といった関連会社があります。海外にも積極的に展開しており、中国には津田駒機械設備有限公司、津田駒機械製造有限公司、経緯津田駒紡織機械有限公司（持分法適用会社）があり、インドにはTSUDAKOMA SERVICE INDIA PRIVATE LIMITEDを設立しています。

このように、津田駒工業は創業以来、技術革新を追求し、繊維機械と工作機械用アタッチメントの分野で国内外の産業を支え続けている企業です。

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