活性白土

活性白土（かっせいはくど）とは

活性白土は、モンモリロン石から生成される粘土の一つであり、特に吸着剤や石油精製における触媒として広く利用されています。この物質は、酸性白土を硫酸や塩酸で熱処理することで得られ、その結果、比表面積が大幅に増加します。具体的には、原土の比表面積は約100平方メートル毎グラムであるのに対して、活性白土は200平方メートル以上に達します。

生産地と歴史

日本国内での活性白土の生産は、主に山形県鶴岡市、新潟県胎内市、新発田市、糸魚川市など、酸性白土の埋蔵地に近い場所で行われています。水澤化学工業がこの分野の最大手であり、全体の約80%を生産しています。活性白土の生産が始まったのは1930年代半ばで、日本活性白土、東洋活性白土、武田白土工業といった企業が次々と設立されました。

フランスの化学者ユージン・オードリーが、石油精製プロセスにおいて活性白土が効果的であることを発見し、これがアメリカで広く実用化されました。日本からは、新潟県の蒲原粘土が輸出されたものの、その後合成ゼオライトの開発が進むにつれて、天然の粘土の利用は次第に減少しています。

特徴と特性

活性白土は多孔質であり、優れた吸着性と脱色性を持つことがその主な特徴です。これにより、植物油を軽度の真空状態で接触させることで、カロチノイドやクロロフィルといった色素成分を効果的に除去することが可能となります。また、石油製品の脱色精製にも使用され、用途は多岐にわたります。

廃白土は、使用後もセメント製造や有機肥料の発酵促進材として再利用されるほか、残留した植物油を分離し、バイオディーゼル燃料の生産に利用される試みも進められています。

製造プロセス

活性白土の製造は、まず酸性白土を粉砕し、25%から45%濃度の硫酸を用いて80℃から105℃でおおよそ6時間から12時間加熱することから始まります。このプロセスを通じて、表面に存在するアルミナなどの成分が溶解し、多孔度が増します。その後、廃酸を除去し、水洗浄、濾過、乾燥、圧縮脱気を行い、最終的に梱包されます。通常は25キログラムの紙袋に包装されます。廃酸は硫酸アルミニウムの原料として再利用されることもあります。

製品を1トン生産するためには、約2.4トンの酸性白土、1.2トンの硫酸（65%濃度）、そして650キログラムの石炭が必要です。

用途

活性白土の最も主要な用途は油脂の脱色です。油脂の種類によって異なりますが、通常、油脂の重量に対して1%から10%の割合で活性白土が使用されます。具体的には、加熱した油を100℃から200℃にし、活性白土を加えて10分から20分間接触させた後、濾過分離する方法が一般的です。

このように、活性白土は多方面で利用されており、環境に優しい素材としてその価値がさらに注目されています。

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