派遣元責任者

派遣元責任者とは

派遣元責任者とは、労働者派遣事業を行う事業所（派遣元事業主）において、派遣労働者の保護と適正な労働環境の確保のために選任される責任者です。労働者派遣法第36条に基づき、派遣元事業主は必ず派遣元責任者を選任する必要があります。

派遣元責任者の役割

派遣元責任者は、派遣労働者が安心して働けるように、以下のような多岐にわたる業務を担います。

派遣労働者の就業条件の整備: 労働者派遣法第32条、第34条、第35条、第37条に定められた事項に関わる業務を行います。
派遣労働者への助言と指導: 派遣労働者が業務を円滑に進められるように、必要なアドバイスや指導を行います。
苦情処理: 派遣労働者から受けた苦情に対応し、問題解決を図ります。
個人情報管理: 派遣労働者の個人情報を適切に管理し、保護します。
教育訓練の実施: 派遣労働者のスキルアップのための教育訓練を実施、職業生活に関する相談の機会を設けます。
安全衛生管理: 派遣労働者の安全と健康を守るため、派遣先の責任者と連携し、安全衛生に関する業務を行います。
派遣先との連絡調整: 派遣労働者の就業状況や問題点について、派遣先と密接に連絡を取り、調整を行います。

派遣元責任者の選任要件

派遣元責任者には、以下の要件を満たす必要があります。

欠格事由の非該当: 未成年者でなく、労働者派遣法第6条に定める欠格事由（禁錮以上の刑に処せられた者、派遣事業許可を取り消された者など）に該当しないこと。
講習の修了: 厚生労働大臣が定める講習を過去3年以内に修了していること。
精神機能の障害がないこと: 派遣元責任者の業務を適切に行うために必要な認知、判断、意思疎通に支障がないこと。

派遣元責任者講習について

派遣元責任者は、厚生労働大臣が定める講習を受講し、専門知識を習得する必要があります。この講習は、派遣労働者の雇用管理を適切に行うために必要な知識を身につけることを目的としています。

講習実施機関

以下のような機関で講習が実施されています。

日本人材派遣協会
全国放送関連派遣事業協会
労務管理教育センター
日本添乗サービス協会
日本機械設計工業会
オピニオン
派遣アットマークステーション協同組合
個別労使紛争処理センター
オファーズ
労働新聞社
ウェルネット
関西環境開発センター
労務経営支援協会
全国シルバー人材センター事業協会
オープンリソース
サポルテ
* フィールドプランニング

受講資格

講習の受講資格は特にありません。一般労働者派遣事業を行う事業者は、派遣元責任者を選任する際に必ず受講させる必要があります。一方で、特定労働者派遣事業のみを行っている事業者は、講習の受講は必須ではありません。

講習内容

講習では、労働者派遣法に関する基礎知識や、派遣労働者の雇用管理に関する具体的な方法、派遣先との連携の仕方などについて学びます。

まとめ

派遣元責任者は、派遣労働者の権利を守り、安心して働ける環境を作る上で非常に重要な役割を担っています。派遣労働者、派遣先、そして派遣元事業主の三者にとって、派遣元責任者の存在は不可欠であり、その責任と役割を十分に理解しておくことが大切です。

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