流動資産

流動資産とは

流動資産とは、会計上の資産のうち、1年以内に現金化または費用化できると見込まれる資産のことです。これは企業の短期的な支払い能力を示す重要な指標であり、経営の安定性を測る上で欠かせません。

概要

流動資産には、具体的に以下のようなものが含まれます。

現金・預金: そのまま支払い手段として利用できる資産
受取手形: 将来現金を受け取る権利を記した証券
売掛金: 商品やサービスを提供した代金で、まだ回収されていないもの
商品: 販売を目的として保有する在庫
短期貸付金: 1年以内に返済される予定の貸付金
有価証券: 短期的な売買によって利益を得る目的で保有する株式や債券など
前払金: まだ商品やサービスを受け取っていないにもかかわらず、事前に支払った代金

正常営業循環基準

ただし、正常な営業循環過程にある資産は、1年を超えて費用化される場合でも流動資産として扱われます。たとえば、林業における棚卸資産や建設業における未成工事支出金は、完成までに数年かかることがありますが、流動資産に分類されます。これは、企業の主要な事業活動において継続的に発生する資産は、その事業サイクルの中で回収されるとみなされるためです。

流動資産管理のポイント

流動資産を適切に管理することは、企業の健全な経営に不可欠です。特に重要なポイントは以下の3点です。

1. 流動比率の維持・向上:
流動比率（流動資産 ÷ 流動負債）を高めることで、短期的な支払い能力を高める。
2. 債権管理の徹底:
売掛金などの債権を適切に管理し、貸倒れリスクを最小限に抑える。
債権回転期間（売上）を短縮し、資金回収を早める。
債務回転期間（仕入）とのバランスを考慮し、資金繰りを最適化する。
3. 在庫管理の最適化:
過剰な在庫や不良在庫の発生を防ぎ、棚卸資産回転期間を短縮する。
需要予測に基づいた適切な在庫量を維持する。

これらの管理を徹底することで、資金繰りの改善、収益性の向上、そして企業の安定的な成長に繋がります。

主な流動資産

現金及び預金
受取手形
売掛金
有価証券
商品
貯蔵品
前払費用
未収収益
繰延税金資産

関連項目

流動負債'>流動負債
固定資産'>固定資産
流動比率
当座比率

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