流産

流産についての詳細

流産（りゅうざん、英: spontaneous abortion または miscarriage）とは、妊娠中に自然に胎児が死亡し、その結果妊娠が続かなくなる現象を指します。通常、流産は妊娠12週未満に発生することが多く、この場合は染色体異常が主な原因とされています。流産と高齢妊娠の関連性や、進行状態による治療法についても詳しく見ていきます。

疫学

流産は妊娠の15%程度で発生する一般的な現象とされ、特に妊娠12週未満で起こる早期流産は染色体異常によることが多いです。流産が3回以上連続する習慣流産の方は、何らかの異常が疑われ、精査が必要です。

高齢妊娠のリスクも考慮すべき要素のひとつです。40歳以上の女性では自然流産の確率が25%に達することが報告されています。これは、卵子や胎児の染色体異常が増加するためです。加齢によるリスクの上昇は、体内の卵子形成プロセスにも深く関与しています。若年層でも卵子の約25%には染色体異常が存在しますが、高齢になるほどその確率が高まります。

流産の原因

流産は主に二つのカテゴリーに分けられます。一つは母体側の要因、もう一つは胎児側の要因です。母体の高齢化や感染症、子宮の異常（子宮頸管無力症、子宮奇形、子宮筋腫など）、さらには内分泌疾患が流産の原因になることがあります。また胎児側の要因としては染色体の異常や遺伝子病が挙げられます。

流産の種類

流産にはいくつかの種類があり、それぞれの状態に応じた治療が求められます。

• - 切迫流産：流産の兆候があるが、頸管は開大していない状態。軽度の下腹部痛や性器出血があり、安静が必要です。

• - 進行流産：流産が進行している状態で、頸管は開大しています。この場合、妊娠の継続は難しく、子宮内容物の除去が必要です。

• - 完全流産：流産が起こり、子宮内に残存物がない状態です。症状がなく、通常は経過観察で済みます。

• - 不全流産：流産が起こったものの、子宮内に残存物がある状態。治療が必要です。

• - 稽留流産：無症状のまま胎児が死亡している状態。超音波検査で確認されることが多いです。

• - 化学的流産：妊娠が成立したとされるが、胎嚢が確認できない状況です。一般的に通常の月経とみなされがちです。

流産と加齢

流産は年齢に大きく影響され、高齢妊娠は特にリスクを伴います。35歳を過ぎるとその確率は急増し、40歳以上では51%もの妊娠が流産に至る可能性があります。このような年齢とともにリスクが増加する背景には、卵子の老化が深く関与しています。

また、一度の妊娠が出産に至らず終わることを指して、物事が中止になることを「流産」と表現することもあります。これは、過去に見られた言い回しで、今ではあまり使われなくなっています。

おわりに

流産は多くの妊婦にとって心の痛みを伴う出来事であり、その原因や影響を理解することは大切です。正しい情報を持ち、医療機関を通じて適切なサポートを受けることが必要です。流産についての研究や理解は進んでいますが、依然として多くの謎も残されており、今後の解明が期待されています。

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