流線形'80

流線形'80（りゅうせんけい はちじゅう）

松任谷由実の6作目のオリジナルアルバムである『流線形'80』は、1978年11月5日に東芝EMIからリリースされました。このアルバムは、LP（ETP-80047）とカセットテープ（ZT25-285）で発売され、その後も再発売やCD化を経て、今なお多くのファンに親しまれています。

アルバム発売までの道のり

発売に先立ち、松任谷由実は「YUMING EXPRESS」コンサートツアーを行い、このツアーは1978年10月12日から12月25日まで続きました。コンサートにおいては、新しい楽曲を披露し、その場で多くのファンの心を掴んでいきました。このアルバムは、彼女の音楽キャリアにおいて重要な一歩となったと言えるでしょう。

ジャケットデザインと特別版

ジャケットの作品は、著名なイラストレーターである矢吹申彦によって手掛けられました。このジャケットは、一部がカットされたデザインとなっており、視覚的にもインパクトがあります。アルバムの帯コピーには「新たなる衝撃!! これこそ完成されたアルバムと言えるでしょう」との力強い言葉が添えられており、期待感を強く感じさせます。そして、キャッチコピーの「まだ見ぬストリームライン（流線形）がユーミン・シティを駆けて行く」は、聴く人々に新たな旅立ちを連想させます。

楽曲リスト

アルバムには、以下の楽曲が収録されています。

• - ロッヂで待つクリスマス
• - 埠頭を渡る風
• - 魔法のくすり
• - Corvett 1954
• - 12階のこいびと
• - キャサリン
• - 入江の午後3時
• - かんらん車
• - 真冬のサーファー
• - 静かなまぼろし

発売当初のカセットテープの収録順とは異なり、1981年の再発時には正式な収録順に戻されました。

各楽曲の見どころ

ロッヂで待つクリスマス

この曲は1987年の映画『私をスキーに連れてって』でも使用され、インストゥルメンタルバージョンが印象的です。また、藤谷美紀のカバーも話題となりました。

埠頭を渡る風

この楽曲は12枚目のシングルとしてもリリースされ、特に晴海埠頭が舞台となっています。逗子マリーナ公演のラストで毎回歌われ、打ち上げ花火とともに盛り上がりを見せました。

静かなまぼろし

この曲は、松任谷由実が提供した作品で、フジテレビの『ミュージックフェア』で共演した沢田研二に向けて書かれました。彼のアルバムにも収録されています。

他にも真冬の寒さの中での感情を描いた「かんらん車」や、カラフルな冬サーフィンをイメージした「真冬のサーファー」など、多様なテーマが表現されています。これらの楽曲は、それぞれ独自の世界観を持ち、多くのリスナーに共感を呼びました。

参加ミュージシャン

このアルバムには多くの著名なミュージシャンが参加しています。キーボードの松任谷正隆をはじめ、ドラムの林立夫、パーカッションの斉藤ノブ、エレクトリック・ギターの山下達郎など、豪華な面々が名を連ねています。これにより、音楽面でも豊かな表現が可能になりました。

リリース後の展開

1985年に初めてCD化されるなど、時代とともにその形を変えていく中で、1999年には音質が改良されたリマスタリング版もリリースされました。これにより、より多くの人々がこの名作に触れる機会を得たのです。

『流線形'80』は、松任谷由実の音楽的深みを感じさせる作品であり、時を超えてなお、多くの人々に愛され続けています。

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