私をスキーに連れてって

『私をスキーに連れてって』

『私をスキーに連れてって』は、1987年11月に公開された日本映画で、ホイチョイ・プロダクションによる原作で原田知世が主演しています。本作はスキーをテーマにした恋愛物語で、ホイチョイ三部作の第一作として位置付けられています。略称は「私スキ」です。スキーシーンが印象的であり、スキー文化の普及に寄与した作品でもあります。第2回東京国際映画祭のヤングシネマ1987コンペティションにおいても取り上げられた名作です。

ストーリー

物語は、総合商社「安宅物産株式会社」に勤務する冴えない商社マン、矢野文男を中心に展開します。彼は高校からのスキー仲間と一緒にゲレンデに出かけますが、恋愛には奥手で、仲間が連れてくる女性にあまり関心を持てずにいました。しかし、スキー場では彼はその実力を発揮し、素晴らしい滑りを見せます。

クリスマスイブ、文男はスキー仲間と志賀高原で楽しんでいる最中、雪に埋もれてもがく女性、池上優を見かけ助けます。瞬時に一目惚れをし、彼の心は彼女に奪われます。優も文男と同じ会社のOLで、友情や恋愛の絡みが展開される中で、彼らの関係は徐々に進展していきます。

年の瀬、再会した二人はデートを重ねますが、文男は仕事の忙しさから優との約束をすっぽかすことが多くなります。このような中、恒例のバレンタインデーを迎え、志賀高原スキー場で遊ぶ計画を立てます。しかし、文男は仕事のトラブルに巻き込まれ、優はそれを解決するために奮闘します。実は、トラブルが発生し、ウェアの発表会場に間に合わなければならず、文男の仲間たちと共に危険な山を越える冒険が始まるのです。

最終的に、文男と優は感動的な再会を果たし、バレンタインチョコの贈呈をもって二人の絆が深まった瞬間を迎えます。彼らのデートや友情のエピソードは、観客に爽やかさをもたらし、青春の甘酸っぱさを描き出しています。

キャスト

本作には多くの個性的なキャストが揃っており、特に原田知世が演じる池上優は印象的です。文男役の三上博史を始め、友人たちや会社の同僚たちも独自のキャラクターを持った魅力的な役柄として物語を彩ります。特にスキーシーンでは、元アルペンレーサーの海和俊宏が指導を行い、リアルなスキーパフォーマンスが繰り広げられます。

音楽

松任谷由実の曲が主題歌と挿入歌に使用されています。特に「サーフ天国、スキー天国」は、本作を象徴する楽曲として広まり、他にも多くのヒット曲が含まれており、映画の雰囲気を引き立てています。また、映画が公開されて以降、スキー音楽ジャンルへの影響も見られたことで、音楽ファンにも支持されました。

社会的影響

本作は1980年代のスキーブームを促進した作品としても知られています。映画の影響で、多くの人々がスキーを始め、スキー場に賑わいが戻りました。スキー用品の普及にも寄与したことで、今や日本のスキー文化の象徴ともなりました。また、4WD車の重要性が認識され、スキー旅行とともに愛され続けています。

この映画は、青春のドキドキ感や新たな挑戦、仲間との絆を描きながら、ますます多くの人々に親しまれ続けています。今でもスキーを愛する人々には欠かせない一作として、時代を越えて愛され続けることでしょう。

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