浄光院 (保科正之生母)

浄光院について

浄光院（じょうこういん）は、1584年に生まれ、1635年に56歳で亡くなった女性で、江戸幕府の2代将軍である徳川秀忠の妾として知られています。彼女は、会津藩を築いた保科正之の母でもあります。その生涯は、戦国時代から江戸時代初期の日本の歴史と密接に関わっており、彼女の存在はその後の歴史にも影響を与えました。

生い立ちと背景

浄光院の本名は「静」とされ、出生に関する具体的な情報は限られています。父親は元後北条氏の家臣である神尾栄嘉とされており、加えて武州の板橋に住む大工の娘との説もあります。彼女の家族背景はその後の人生に影響を与え、特に政治的な力を持つ人物との関係を築くきっかけとなりました。

徳川秀忠との関係

秀忠に仕える乳母、大姥局のもとで過ごす中で、浄光院は彼に見初められました。その後、懐妊したものの正式に側室として迎えられることはありませんでしたが、彼女は見性院（武田信玄の次女、穴山梅雪の未亡人）のもとに預けられました。ここで、慶長16年（1611年）に幸松（後の保科正之）を出産します。この事実は、後の保科家や会津藩の歴史にとって重要な意味を持っています。

幸松と信濃への移住

元和3年（1617年）、幸松が名目上保科正光の子とされたため、静もそれに合わせて信濃の高遠城に移り住みました。これにより、ついに彼女は会津藩の基盤を築く一翼を担うことになりました。彼女は静かに息子の成長を見守り、彼が成し遂げる偉業を支える形で生きていくことになります。

晩年と葬儀

寛永12年（1635年）、浄光院は高遠城で病を患い、52歳で亡くなります。彼女は一度長遠寺に葬られましたが、息子が会津藩主となった後に浄光寺に改葬されます。その後、彼女は日蓮宗を信仰していたため、最終的には身延山久遠寺に改葬されました。彼女の戒名は「淨光院殿法紹日惠大姉」とされ、久遠寺に刻まれた碑銘には彼女の息子である保科正之が「孝子」として奉祀する旨が示されています。

まとめ

浄光院はその生涯を通じて重要な歴史的役割を果たしました。徳川秀忠との関係、保科正之の母としての地位、その後の葬儀に至るまで、彼女の存在は日本の歴史において地味ながらも重要な位置を占めています。彼女は単なる妾ではなく、歴史を動かす力を持った女性だったのです。

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