浅岡信夫

浅岡信夫（あさおか のぶお）

浅岡信夫は、日本の演劇と政治の両面で影響を与えた人物である。1899年12月15日、広島県広島市に生まれ、後に東京で教育を受けた。彼は学生時代に非常に優れた運動能力を持ち、相撲や柔道、剣道の腕前も高かった。特に、早稲田大学の相撲部で活躍し、1920年から1922年にかけて男子ハンマー投げで日本陸上競技選手権大会を三連覇した。

1925年、映画界に参入し、日活大将軍撮影所に入社。彼は日活のスター俳優として多くの映画に出演し、特に大ヒット作『東洋武侠団』では、広瀬恒美と共にダブル主演し、話題を集めた。1928年には映画監督としても活動を始め、映画制作において多くの影響を与えた。

1931年には俳優業から引退し、映画振興に注力。彼の著作『映画国策之提唱』は、映画に関する政策提言を含み、翌1932年にはアメリカに渡り、そこでの経験を基に日本国内での映画政策に影響を及ぼした。また、彼は映画法の制定に向けた取り組みを推進し、国会に提出した「映画国策建議案」が可決され、映画法に結実する道筋を作った。

戦後は政治の世界に進出し、1947年には日本自由党から参議院議員に当選し、俳優出身者が議員となった最初の事例となった。彼は広島復興に向けた法案の成立に寄与し、特に広島平和記念都市建設法は彼の発言をきっかけに検討が進んだことで知られている。

また、彼はプロスポーツの発展にも関与し、女子プロ野球の創設にも関わった。1968年に熱海で不慮の事故により亡くなるまで、映画界と政治界で他者に大きな影響を与え続けた。彼の葬儀には多くの著名人が参列し、映画界での彼の存在感を物語っている。

人物とエピソード

浅岡は、若い頃の派手な言動や人脈で知られ、特に右翼の辻嘉六との関係が強調される。彼は国会で辻に関する政治資金問題で証人答弁を行うなど、独自の立場を確立していた。相撲界とのつながりも強く、日活京都に入社した際には土俵が築かれるほどだった。

彼の記録には、1935年に設立に参加した多摩帝国美術学校の情報や、戦時中の中国での10年間の滞在後の世代に対する支援活動も含まれている。また、彼の骨格は177.3cm、体重は90kgと伝えられており、身体能力は高かった。

映画フィルモグラフィ

浅岡は数多くの映画に垢を落とし、特に日活の作品で活躍した。代表的な作品は『海の祭』『母校の為めに』『東洋武侠団』などがあり、彼の存在は多くの後進やファンに影響を与えた。

浅岡信夫は、俳優としてだけでなく、文化人として、そして政治家としても重要な役割を果たした人物であり、彼の生涯と業績は映画界や政治界において今なお語り継がれている。

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