浅津村

浅津村の概要

浅津村（あそづそん）は、かつて鳥取県東伯郡に位置していた村で、現在は湯梨浜町の一部を形成しています。当村は、1889年に町村制の施行に伴い、光吉村、下浅津村、上浅津村、南谷村の4つの村が合併し形成されました。これにより、旧村名を引き継いだ大字が新たに編成されました。

地理

浅津村は、東郷池の西側に位置し、その自然環境は村の産業や文化に色濃く影響を与えました。また、村内には橋津川が流れ、周囲の美しい風景とともに地域の生活に貢献していました。

歴史

浅津村の発足は1889年に遡ります。当初は、地元の漁業や農業を中心とする生活が営まれました。明治中期には、東郷湖捕魚採藻業組合が設立され、地域の漁業がさらに発展することとなります。そして、1912年には浅津漁業組合が生まれ、翌年に東郷湖漁業組合へと改称されていきます。

1953年には、浅津村は周辺の長瀬村、橋津村、宇野村と共に合併し、新たに羽合町が設立されました。この合併に伴い、村はその存在を終え、羽合町内の大字として引き継がれることとなります。

災害

浅津村は、幾度かの大火に悩まされました。1921年の大火では大字上浅津が襲われ、55戸が焼失する惨事となりました。その後も1929年と1939年の二度にわたり大火が発生し、それぞれ37戸と20戸が焼け落ちました。これらの災害は村人たちに深い影響を及ぼし、復旧活動に追われることとなります。

産業

地域の産業は主に漁業や農業が中心で、特に漁業は東郷湖に恵まれた環境の中で発展してきました。また、村には浅津温泉（現在のはわい温泉）も存在し、観光業にも寄与していました。温泉は多くの人々を惹きつけ、地域振興の一助ともなっていたのです。

交通

交通手段としては、1949年に日ノ丸自動車が運行を開始した浅津線の定期バスがありました。また、大正中期には松崎駅と浅津温泉を結ぶ民間の連絡船も運航されていたことが知られています。これにより村は周辺地域とつながり、生活の利便性が向上しました。

参考文献

• - 角川日本地名大辞典 31 鳥取県
• - 『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年

浅津村の歴史や文化は、鳥取県内でも珍しいものであり、今もなおその痕跡を留めています。

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