浅生マサヒロ

浅生 マサヒロ（あさお マサヒロ）は、1968年9月23日、大阪府に生まれた日本の映画監督です。

経歴

映像制作の道に進んだ浅生氏は、1988年に京都芸術短期大学造形芸術学部映像学科を卒業しました。翌1989年には、松竹が主催する「KYOTO映画塾」の演出コースで一期生として学び、映画製作の実践的な知識と技術を習得します。1991年には松竹大船撮影所に契約助監督として籍を置き、プロの現場で経験を積みました。その後はフリーランスの立場で活動の幅を広げていきます。

映画監督として

フリーランスとなった浅生氏は、主にVシネマや劇場公開作品、ドラマなどで監督として手腕を発揮しています。彼の監督作品は、任侠、アクション、サスペンスといったジャンルを中心に数多く制作されており、特にその力強い演出には定評があります。

初期の監督作品には、2005年の『捨て犬』や2006年の『殺し屋という名の外科医』などがあります。その後も精力的に作品を発表し、『標的 〜TARGET〜』シリーズ（2009年）、『兄弟の墓場』（2010年）、『修羅の掟』（2012年）、『報復への道』（2013年）など、数々のVシネマを手がけました。ASAO名義で監督した『野獣学園』（2008年）のような作品も見られます。

近年の代表的なシリーズとしては、『狂犬と呼ばれた男たち』（2017年）、『任侠哀歌』（2018年）、『外道憤砕』（2018年）、『ソタイ 〜組織犯罪対策部vs反社会勢力〜』（2020年）、そして2020年から続く長期シリーズ『下町任侠伝 鷹』などがあり、多くのファンを持つ作品を生み出しています。これらの作品群を通じて、現代の日本映画・Vシネマにおける任侠・アクション分野で重要な存在感を示しています。

商業作品の傍ら、自主制作の『少年少女映画』や、横浜無線タクシーのPR動画『錆びタク』（2023年）、ロックバンドTHE冠のミュージックビデオ『エビバディ炎』なども手がけており、その活動は多岐にわたります。

ガンエフェクト技師としての貢献

浅生氏は、監督業と並行して、多くの映像作品でガンエフェクト技師としても活躍しています。銃撃シーンにおける発砲炎や薬莢排出、着弾などの特殊効果を担当し、作品にリアリティや迫力を与える重要な役割を担っています。

彼がガンエフェクトを手がけた作品は非常に多岐にわたります。初期には『かっ鳶五郎』（1997年）や『BLUES HARP』（1998年）、『極道恐怖大劇場 牛頭』（2003年）などがあります。その後も、『死刑確定』シリーズ（2004〜2006年）、『WARU』（2006年）、『岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説』（2007年）といった劇場作品やVシネマに携わりました。

テレビドラマでは、『ハンチョウ〜神南署安積班〜』や『怨み屋本舗REBOOT』、そして『日本統一 関東編』（日本テレビ、2023年）など、人気シリーズや話題作に参加しています。映画では、園子温監督の『ヒミズ』（2012年）、三池崇史監督の『逆転裁判』（2012年）といった異ジャンルの作品や、『日本統一』（2013年）、『制覇』（2015年）などのVシネマシリーズでもガンエフェクトを担当。近年の作品では、『ねばぎば 新世界』（2021年）、『劇場版 山崎一門〜日本統一〜』（2022年）、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』（2023年）、『CONNECT 覇者への道』（2024年）など、幅広いジャンルの作品でその技術を発揮しています。特にアクションや任侠作品においては、彼のガンエフェクトが作品の迫力を高める上で不可欠な要素となっています。

その他の活動

浅生氏は映像製作の実務に加え、様々な分野で才能を発揮しています。漫画の原作も手がけており、『映画大作戦 アサオ君のいつかキリキリした日』や『鉄龍 レール・オブ・ザ・デッド』、そして週刊漫画サンデーに連載された『拳銃稼業』では監修を務めました。

また、自身が製作に関わった作品に俳優として出演することもあり、『日本犯罪史 〜欲望の穴〜』（2012年）や『大激突 〜果てなき抗争〜』（2018年）、『仁義もクソもありゃしねぇ』（2021年）などのVシネマに登場しています。バラエティ番組『バラいろダンディ』にゲスト出演した経験もあります。

さらには、『虎の流儀 〜激突! 燃える嵐の関門編〜』（2022年）では特効プロデューサーを務めるなど、映像製作の様々な側面に関与しています。

浅生マサヒロ氏は、監督、ガンエフェクト技師、原作、出演と多岐にわたる役割をこなし、日本の映画・Vシネマ界において独自の地位を確立しているクリエイターです。

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