京都芸術短期大学

京都芸術短期大学：創造性を育んだ24年間の歴史

京都芸術短期大学は、京都市左京区に本部を置いていた私立短期大学です。1977年の開学から2001年の閉校まで、多くの学生たちに創造性の芽を育む場を提供しました。本稿では、その歴史、教育内容、そして閉校に至るまでの経緯を詳細に解説します。

学園のルーツと変遷

京都芸術短期大学の前身は、1934年に設立された藤川衣服研究所に遡ります。その後、藤川服装学院、藤川デザイン学院と名称を変え、1975年には京都服飾芸術学院と京都造形芸術学院へと改組されました。これらの学院が統合され、1977年1月10日、文部省より短期大学の設置認可を受け、京都芸術短期大学が開学しました。

当初は造形芸術学科のみでしたが、その後、学生数の増加に伴い、学科や専攻課程の改編が繰り返されました。絵画、工芸、デザイン、映像など、多様な専攻が設置され、学生たちはそれぞれの興味関心に基づき、専門性を高めることができました。

教育内容と特色

京都芸術短期大学では、日本画、洋画、立体、陶芸、染織、テキスタイルデザイン、ファッションデザイン、ビジュアルデザイン、インテリアデザイン、ランドスケープデザイン、映像、コンピュータグラフィックスなど、幅広い造形芸術分野を学ぶことができました。また、保健体育科目として和太鼓を取り入れ、音と身体表現の関わりを学ぶユニークな取り組みも行われていました。

さらに、専攻科を設置し、卒業生がより高度な専門知識・技術を習得できる環境も提供していました。専攻科修了者には、中学校教諭二種免許状（美術）の取得も可能で、一部専攻では中学校・高等学校教諭一種免許状（美術）の取得を目指せる道もありました。

学生生活と大学関係者

学生たちは、「瓜生山祭」と呼ばれる学園祭を通じて交流を深め、活気あるキャンパスライフを送っていました。また、女子学生寮「岩倉寮」も設置され、遠方からの学生も安心して勉学に励むことができました。

京都芸術短期大学には、幾原邦彦氏（アニメーション監督）、浦川まさる氏（漫画家）、尾道幸治氏（映像作家）、きむ氏（詩人・写真家）、島田大介氏（映像作家）、谷崎光氏（作家）、中井久実代氏（グラフィックデザイナー）、前田昌代氏（女優）、松田悟志氏（俳優）、宮川良雄氏（ファッションデザイナー）、レイ・ハラカミ氏（ミュージシャン）、吉田由一氏（ミュージシャン）など、多くの著名な卒業生を輩出しました。

京都造形芸術大学との関係

京都芸術短期大学は、系列校である京都造形芸術大学と密接な関係にありました。特に、閉校後も、京都造形芸術大学の地心館がかつての短期大学の校舎として利用されました。また、多くの卒業生が京都造形芸術大学への編入学を果たしています。

閉校とその後

1999年度の入学生を最後に、京都芸術短期大学は学生の募集を停止しました。そして、2001年12月20日、24年間の歴史に幕を閉じました。閉校後も、その卒業生たちはそれぞれの分野で活躍し、京都芸術短期大学が培ってきた創造性の精神は、今も脈々と受け継がれています。

まとめ

京都芸術短期大学は、多様な専攻と充実した教育体制によって、多くの優秀な人材を育成しました。その歴史と伝統は、後世に語り継がれるべき貴重なものです。本稿が、京都芸術短期大学の軌跡を理解する一助となれば幸いです。

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