浅草サンバカーニバルとは？意味をやさしく解説

浅草サンバカーニバル

浅草サンバカーニバルは、東京都台東区浅草で毎年8月の最終土曜日に開催されるサンバパレードのコンテストです。1981年に始まり、日本最大級のサンバイベントとして知られています。主催は浅草サンバカーニバル実行委員会で、一日限りの開催ながら約50万人の人出を誇り、ブラジル国外では最大規模、北半球では最大のサンバカーニバルへと発展しました。

リーグ制とコンテスト

カーニバルでは、各サンバチームの規模に応じてリーグ制によるグループ分けがされています。2007年時点では、コミュニケーションリーグ（地域のブラスバンドなど）、テーマ・サンバリーグ（企業チーム）、S2リーグ、S1リーグの4つに分かれていました。S1とS2リーグでは、パレードの内容を競い合い、審査員や観客によるモバイル投票などで順位や優勝が決定します。

S1リーグとS2リーグ

S1リーグはトップリーグで、エスコーラ・ジ・サンバ（エスコーラ）と呼ばれる大規模なチームが参加します。これらのチームは、カーホ・アレゴリア（アレゴリア）と呼ばれる山車を製作し、ブラジルで発注したファンタジアと呼ばれる衣装を使用するなど、大規模な展開が特徴です。S1リーグではアレゴリアの製作が必須条件ですが、S2リーグではアレゴリアの導入は禁止されています。S1リーグで最下位になるとS2リーグへ降格し、S2リーグで優勝したチームはS1リーグへ昇格するというシステムがあります。

サンバのスタイル

サンバには様々なスタイルがあり、ヂスフィーレと呼ばれるパレード形式のサンバは「動くオペラ」とも評されます。各チームは毎年Enredo（エンヘード、物語やテーマ）を決め、それに基づいた楽曲、衣装、山車を製作し、パレードで表現します。近年の浅草サンバカーニバルでは、S1リーグのチームを中心に、サンバの本格化が進んでいます。

サンバは単なる仮装行列やテーマパークのパレードと誤解されることがありますが、実際は各チームがエンヘードをいかに表現するかを競うものです。また、露出度の高いダンサーは一部で、チームには様々な役割を担うグループ（アーラ）が存在します。S2リーグは、S1リーグに準じつつも、規模の小さいチームが参加し、S1リーグからの降格組もいます。

歴史

浅草はかつて娯楽の中心地でしたが、昭和30年代以降、活気が失われつつありました。これを憂慮した俳優の伴淳三郎が、三社祭の熱気がリオのカーニバルに似ていると感じ、開催を提案したことがきっかけで、1981年に第1回が開催されたと言われています。ただし、実際には神戸まつりのサンバパレードを参考にしたという指摘もあります。

初期の浅草サンバカーニバルは、本格的なサンバチームは少なく、審査も著名人の意向が強く反映されていました。しかし、ブラジル本国のスタイルを取り入れるチームが増えたため、1999年にはAESA（浅草エスコーラ・ジ・サンバ協会）が発足し、審査員もブラジルやサンバに関心のある人物が選ばれるようになりました。パレードは当初夜間が中心でしたが、安全上の理由から現在は昼間に開催されています。

2011年には隅田川花火大会との重複で中止となり、2020年から2022年まではコロナ禍で中止、代替イベントとして「浅草サンバフェスタ」が開催されました。2023年より再開、2024年にはコロナ以前の大規模開催が再開されました。

テーマ・サンバリーグ

S1、S2リーグとは別に、スポンサー企業が参加するテーマ・サンバリーグも浅草サンバカーニバルの見どころの一つです。企業は自社のロゴや商品をアピールしたアレゴリアで参加し、中でもロボットレストランの大型フロートは人気を集めました。パレードを追いかける「追っかけカメラマン」も多く見られます。

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