浅野一郎

浅野一郎

浅野一郎（あさの いちろう、1926年 - ）は、日本の法学者であり、特に立法学の分野で著名な研究者です。彼は、長年にわたり日本の法制度の発展に貢献し、教育者としても多くの人材を育成しました。

人物・経歴

岐阜県に生まれた浅野一郎は、1948年に京都大学法学部を卒業しました。その後、参議院法制局に入局し、第一部長、法制次長などの要職を歴任しました。1980年には参議院法制局長に就任し、日本の立法プロセスにおいて重要な役割を果たしました。1990年からは関東学園大学の教授として教鞭を執り、1993年から2001年まで徳山大学の学長を務めました。さらに、2004年から2013年までLEC東京リーガルマインド大学総合キャリア学部の教授兼学長顧問として活躍しました。

研究分野

浅野一郎の専門は立法学であり、法律や条例の制定過程、議会運営、法制執務などに関する研究を行ってきました。彼の研究は、理論的な側面だけでなく、実務的な側面にも深く関わっており、法律実務家や政策立案者にとって貴重な指針となっています。

著書

浅野一郎は、数多くの著書を執筆しており、その中には法制執務、議会、立法過程に関するものが多く含まれています。特に、『法制執務事典』、『国会事典』、『必携法令難語辞典』は、法律関係者にとって不可欠な参考書として広く利用されています。また、地方公務員向けの民法解説書や、憲法に関する書籍も著しており、幅広い層の読者に支持されています。

主な著書は以下の通りです。

『法制執務事典』（ぎょうせい、1978年、1982年改訂版）
『地方公務員のための民法 : 実務問答』（ぎょうせい、1979年）
『議会の調査権』（ぎょうせい、1983年）
『法律・条例 : その理論と実際』（ぎょうせい、1984年）
『立法の過程』（ぎょうせい、1988年）
『国会事典 : 用語による国会法解説』（有斐閣、1988年、1990年新版、1997年第3版、1998年第3版補訂版、2003年新版、2008年新版第2版）
『必携法令難語辞典』（三省堂、1989年、2003年第3版）
『解説政治改革』（ぎょうせい、1990年）
『ガイドブック国会 : 制度のすべて』（ぎょうせい、1990年）
『情報化社会と法』（啓文社、1991年）
『憲法』（ぎょうせい、1993年）
『国会と財政』（信山社出版、1999年）
『最新法令難語辞典』（三省堂、1999年）
『現代の議会政』（信山社出版、2000年）
『選挙制度と政党』（信山社出版、2003年）
『憲法答弁集 : 1947-1999』（信山社出版、2003年）
『国会入門 : あるべき議会政治を求めて』（信山社出版、2003年）
『立法政策の企画と立案 : 地域の行政課題に対応する法務能力を身につけるために』（東京リーガルマインド、2003年、2011年第2版）

これらの著書は、立法学の分野における重要な文献として、現在でも多くの研究者や実務家によって参照されています。

栄典

1997年には、長年の法学研究と教育への貢献が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。この勲章は、日本の社会や文化の発展に貢献した人物に贈られるものであり、彼の業績が社会的に高く評価されていることを示しています。

影響

浅野一郎の研究は、日本の法制度や議会運営に大きな影響を与えてきました。彼の著書は、法律実務家や政策立案者にとって重要な参考資料となっており、日本の立法プロセスの透明性や効率性を高める上で、彼の貢献は非常に大きいと言えるでしょう。

まとめ

浅野一郎は、日本の法学界において、立法学の分野を牽引してきた重要な人物です。彼の研究と教育活動は、日本の法制度の発展に不可欠な貢献をしてきました。彼の著書は、現在でも多くの人々に読まれ、参考にされており、その業績は後世に語り継がれるでしょう。

もう一度検索