浜松市産業展示館

浜松市総合産業展示館（はままつしそうごうさんぎょうてんじかん）は、静岡県浜松市中央区に所在する、浜松市が設置・運営する多目的施設です。地域の産業振興と文化活動の促進を目的として広く利用されています。

施設の成り立ちと変遷

当館は、1971年（昭和46年）に浜松市が市制60周年を迎えたのを記念し、地域産業の発展を支援する目的で建設されました。当初は展示会や見本市を中心に開催し、地域経済の流通およびビジネス交流の重要な拠点としての役割を担ってきました。

その後、行政の効率化や経費削減といった方針を受け、かつて「静岡県西部地域地場産業振興センター」として利用されていた建物が、2009年（平成21年）7月に浜松市へ無償譲渡されることになりました。この建物を既存施設と統合し、「北館」としてリニューアルオープンしたことで、施設の規模と機能が拡充されました。北館の加わったことにより、音楽のまち浜松が推進する取り組みとも連携し、コンサートやコンクール、演劇といった文化・芸術イベントの会場としても積極的に活用されるようになっています。さらに、2011年（平成23年）1月には北館の1階部分に浜松市立図書館流通元町図書館が開設され、地域住民の学習・交流の場としても機能の一部を担っています。

施設概要

浜松市総合産業展示館は、南館と北館の二つの主要な建物から構成されています。

北館
ホール: 第一ホール（約350席）、第二ホール（約80席）
会議室: 1号室から8号室まで複数の会議室を完備
その他: 常設展示場

北館は、比較的小規模な会議から、音楽発表会や講演会、セミナーなど、多様な用途に対応できる施設を備えています。

南館
構造: 鉄筋コンクリート造（一部鉄骨造）の2階建て
展示場:
展示場1号（1,920.78㎡）
展示場2号（888.00㎡）
展示場3号（888.00㎡）

南館は、大規模な展示会、物産展、企業展示会など、広大なスペースを必要とするイベントに主に利用されています。合計で約3,600㎡を超える展示面積を誇ります。

利用状況

当館は多くの来場者と利用件数を記録しています。近年（2009年度以降、北館統合後）のデータを見ると、特に南館で大規模イベントが多数開催され、年間数十万人の利用があります。北館も統合以降、利用件数・人数ともに増加傾向にあり、多様なイベントが開催されていることがわかります。

2009年度（平成21年度）: 北館 45,593人（1,144件）、南館 236,193人（119件）
2010年度（平成22年度）: 北館 71,778人（1,987件）、南館 323,670人（145件）
2011年度（平成23年度）: 北館 66,821人（1,858件）、南館 234,430人（135件）

アクセス

当館へのアクセスは、公共交通機関および自家用車のいずれも比較的容易です。

バス: JR浜松駅バスターミナルから遠鉄バスの78蒲線「産業展示館行」に乗車し、所要時間約25分です。
車: 東名高速道路の浜松インターチェンジからは約5分という近距離に位置しています。
駐車場: 無料駐車場が400台分完備されており、車での来場も便利です。

浜松市総合産業展示館は、地域の産業振興の拠点としての機能に加え、文化・芸術活動、市民の交流の場としても重要な役割を果たしており、多様なニーズに応える多目的施設として、浜松市の発展に貢献しています。

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