浜益原子力発電所

浜益原子力発電所の計画概要

浜益原子力発電所は、北海道電力が北海道浜益郡浜益村（現在の石狩市浜益区）柏木において原子力発電を行うための施設を建設する計画でした。最初にこの発電所の建設候補地が提案されたのは1967年10月で、北海道の最初の原子力発電所としての期待が寄せられていました。

経緯

1967年10月、北海道では泊村、島牧村、浜益村の三つの地域を原子力発電所の建設予定地候補として発表しました。この後、1969年には最初の原発サイトが共和および泊地区に決まりましたが、浜益村と北海道電力との間には、将来的に原発用地を取得するための覚書が交わされました。これにより浜益村は原発建設への意思を示しました。

1971年には、原発建設のための用地として126ヘクタールを買収することに成功しましたが、当初の計画はその後波風を立てます。1974年には土地売買契約が一時的に解消され、準金銭消費貸借契約に変更されたのです。これは、当時の社会的背景や地域の意向を反映した結果と言えるでしょう。

1992年には村議会内に設置された原子力発電所問題対策委員会が、発電所の誘致を断念する中間報告をまとめました。この時点で地域住民の間には、原子力発電所建設に反対する声が高まっていたことが伺えます。1997年9月には、用地が地権者に返還されるという形で、浜益原子力発電所建設計画は事実上の頓挫を迎えました。

地域社会と原発の未来

浜益原子力発電所は、北海道のエネルギー政策において重要な位置づけを想定されていましたが、計画の進行に伴い、地域住民や地方自治体の意見が大きく影響を与えたことが特徴的です。このプロジェクトを巡る議論は、地域の合意形成の重要性や、原子力発電の社会的受容に関する教訓を提供しています。

また、浜益村の経験は他の地域における原発建設の可否を考える上でも大いに参考になります。最終的に未実現に終わった浜益原発の計画は、原子力発電が持つリスクと恩恵を考える良い機会とも言えるでしょう。

参考文献

• - 浜益村「苦渋20年」 はまます原発: 浜益原発誘致の変遷
• - 反原発運動全国連絡会（編）『反原発運動マップ』 - 緑風出版（1997年）
• - 原子力資料情報室（編）『原子力市民年鑑 2013』 - 七つ森書館（2013年）

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