浦上二番崩れ

浦上二番崩れ

浦上二番崩れ（うらかみにばんくずれ）は、江戸時代後期、現在の長崎市浦上地区で発生した隠れキリシタンの摘発事件です。これは、長崎で江戸時代中期から4度にわたって発生したキリシタン摘発事件、通称「浦上崩れ」の2度目の事件にあたります。

事件の背景

江戸時代、キリスト教は禁教とされ、厳しい弾圧が行われていました。しかし、長崎では密かに信仰を守り続ける人々、いわゆる「隠れキリシタン」が存在していました。

浦上地区もそうした隠れキリシタンの活動が活発な地域の一つでした。彼らは、表向きは仏教徒として生活しながら、密かに信仰を続けていました。

事件の発生

天保13年（1842年）、浦上村の住民がキリシタンであるという密告が長崎奉行所に寄せられました。これを受け、奉行所はただちに捜査を開始し、帳方（隠れキリシタン組織の指導者）である利五郎をはじめとする幹部たちが摘発されました。

捕らえられた人々は、厳しい取り調べを受けましたが、誰一人として自分たちがキリシタンであることを認めませんでした。彼らは、拷問にも耐え、信仰をあくまでも隠し通しました。

事件の結末

長崎奉行所の役人である益田土之助は、事態を大きくしないように進言しました。その結果、捕らえられた者は注意を受けただけで釈放されることとなりました。

この事件は、隠れキリシタンの信仰の深さと、彼らが組織的に信仰を守っていたことを示す一例と言えます。

事件の影響

浦上二番崩れは、直接的な影響は小さかったものの、その後の浦上崩れへと繋がる重要な事件でした。この事件を通して、隠れキリシタンの存在がより明確になり、後の大規模な弾圧事件である浦上四番崩れへと繋がっていくことになります。

参考文献

片岡弥吉「浦上崩」『国史大辞典 2』吉川弘文館、1980年 ISBN 978-4-642-00502-9
片岡千鶴子「浦上崩れ」『日本史大事典 1』平凡社、1992年 ISBN 978-4-582-13101-7
宮崎賢太郎「浦上崩れ」『日本歴史大事典 1』小学館、2001年 ISBN 978-4-095-23001-6
宮崎賢太郎「浦上二番崩れ」『長崎県大百科事典』長崎新聞社、1984年

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